子どもの日焼け・紫外線対策はどうする?ー日焼け止めの選び方・塗り方・日焼け後のケアを小児科専門医が解説

子どもの日焼け・紫外線対策はどうする?ー日焼け止めの選び方・塗り方・日焼け後のケアを小児科専門医が解説

はじめに

日差しが強くなる季節は、公園やプール、海、キャンプなど、子どもが屋外で過ごす機会も増えてきます。

一方で、

「子どもにも日焼け止めは必要?」
「SPFは高いほどいいの?」
「赤ちゃんには何を使えばいい?」
「日焼けして赤くなったら、どうすればいい?」

と悩む親御さんも多いのではないでしょうか。

子どもの肌は大人よりもデリケートですが、紫外線を気にして外遊びを避ける必要はありません。外出する時間や服装を工夫し、場面に合った日焼け止めを正しく使うことが大切です。

この記事では、子どもの紫外線対策、日焼け止めの選び方・塗り方、日焼け後のケア、医療機関を受診する目安について、小児科専門医がわかりやすく解説します。

子どもにも紫外線対策は必要?

日焼けは、紫外線によって皮膚に炎症が起きている状態です。

日焼けすると、皮膚が赤くなったり、ヒリヒリと痛んだりします。強い日焼けでは、水ぶくれができることもあります。

子どものころから強い紫外線を繰り返し浴びると、将来的なシミやしわだけでなく、皮膚がんなどのリスクにも関係すると考えられています。そのため、子どものころから強い日焼けを避ける習慣をつけることが大切です。

ただし、屋外で遊ぶこと自体を避ける必要はありません。外遊びには、体力づくりや生活リズムの安定など、多くのメリットがあります。

外遊びをやめるのではなく、強い紫外線を避けながら安全に楽しむことを目指しましょう。

👉 子どもの紫外線対策は、外遊びを禁止するためではなく、強い日焼けを防ぐために行います。

紫外線対策は日焼け止めだけではありません

子どもの紫外線対策では、最初から日焼け止めだけに頼るのではなく、まず紫外線を浴びる量を減らす工夫をしましょう。

具体的には、次のような方法があります。

  • 日差しの強い時間帯に長時間外出することを避ける
  • 木陰や屋根のある場所で、こまめに休憩する
  • つばのある帽子をかぶる
  • 通気性のよい薄手の長袖を活用する
  • ベビーカーの日よけを使用する
  • 肌が露出する部分に日焼け止めを塗る

紫外線は、一般的に午前10時から午後2時ごろまでが強くなります。可能であれば、外遊びを朝や夕方にずらすのもよいでしょう。

ただし、曇りの日や日陰でも紫外線を完全に防げるわけではありません。長時間屋外で過ごす日は、帽子や衣類と日焼け止めを組み合わせてください。

👉 「時間・日陰・帽子・衣類」を基本に、露出する肌を日焼け止めで補いましょう。



子どもの日焼け止めはどう選ぶ?

日焼け止めには「SPF」と「PA」という表示があります。

  • SPF:主に、皮膚が赤くなる日焼けを起こすUV-Bを防ぐ目安
  • PA:主に、皮膚の奥まで届くUV-Aを防ぐ目安

数字や「+」が多いほど紫外線を防ぐ力は高くなりますが、子どもがいつでも最高値の日焼け止めを使う必要はありません。

日本小児皮膚科学会では、日常生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安としています。また、保育所・幼稚園・学校などの集団生活では、SPF15以上、PA++~+++が目安とされています。

① 散歩・通園・買い物などの日常生活

SPF15~20、PA++程度を目安にします。

日常生活では、むやみに高いSPFを選ぶ必要はありません。肌への刺激だけでなく、塗りやすさや落としやすさも考えて選びましょう。

② 園や学校、通常の屋外活動

SPF15以上、PA++~+++が目安です。

運動会など長時間屋外で過ごす場合も、数字の高さだけに頼るのではなく、帽子や日陰を活用し、日焼け止めを十分な量で塗り直すことが重要です。

③ 海や山など紫外線の強い場所

SPF20~40、PA++~+++を目安にします。

海辺では砂や水面からの反射があり、山では標高が高くなるほど紫外線が強くなるため、普段よりしっかりとした対策が必要です。

④ プールや水遊び

SPF・PAだけでなく、「UV耐水性★」または「UV耐水性★★」と表示された製品を選びましょう。

以前は「ウォータープルーフ」と表示されることが一般的でしたが、現在は耐水性を示す新しい表示が使われています。

耐水性がある製品でも、泳いだあとやタオルで体を拭いたあとは塗り直してください。

👉 日焼け止めは高い数値だけで選ばず、使う場面、耐水性、落としやすさを確認しましょう。



赤ちゃんにも日焼け止めを使っていい?

赤ちゃんにも日焼け止めを使用できます。

ただし、赤ちゃんの紫外線対策では、まず次のような方法を優先しましょう。

  • 日差しの強い時間帯を避ける
  • ベビーカーの日よけを使う
  • つばのある帽子をかぶせる
  • 薄手の衣類で肌の露出を減らす
  • できるだけ日陰で過ごす

そのうえで、顔や手足など、衣類で覆えない部分を赤ちゃん向けの日焼け止めで補います。

赤ちゃん用の日焼け止めには、生後すぐから使用できると表示された製品もありますが、対象月齢や落とし方は商品によって異なります。必ずパッケージを確認してください。

初めて使うときは、腕や脚などの狭い範囲に少量塗り、赤みやかゆみが出ないか確認してから広い範囲に使用すると安心です。

湿疹や皮膚のただれがある部分に塗ると、刺激になることがあります。皮膚症状が強い場合は、日焼け止めを塗る前に小児科や皮膚科へ相談しましょう。

👉 赤ちゃんは日陰・帽子・衣類を優先し、覆えない部分に赤ちゃん向けの日焼け止めを使用しましょう。

日焼け止めの正しい塗り方

日焼け止めは、塗る量が少なすぎると表示どおりの効果を得られません。

顔に塗る場合は、クリームタイプならパール粒大、液体タイプなら1円玉大を手に取り、額、鼻、両頬、あごに少量ずつ置いて、むらなく伸ばします。

そのあと、同じ量でもう一度重ねて塗ると、塗り残しを減らせます。

特に、次の部分は塗り忘れやすいため注意してください。

  • 首の後ろ
  • 鼻や頬の高い部分
  • 胸元
  • 手の甲
  • 膝の裏
  • サンダルから出ている足の甲

外出する直前に慌てて塗るより、外へ出る15分ほど前に塗っておくとよいでしょう。

また、朝に一度塗っただけでは、一日中効果が続くわけではありません。

  • 2~3時間ごと
  • 汗をたくさんかいたあと
  • 水遊びやプールのあと
  • タオルで肌を拭いたあと

を目安に塗り直しましょう。

帰宅後は、商品の表示に従って石けんやお湯で落とします。強くこする必要はありません。落としたあとは保湿剤を塗ると、乾燥を防ぎやすくなります。

👉 日焼け止めは十分な量を2回に分けて塗り、汗や水のあとには塗り直しましょう。



小児科専門医×3児の父目線で選ぶ、子どもにおすすめの日焼け止め

子どもの日焼け止めは、数値や成分だけでなく、毎日の子育ての中で無理なく使えることがとても重要です。

小児科専門医としては、

  • 子どもの年齢に合っているか
  • 日常生活に必要な紫外線防御力があるか
  • 肌への刺激に配慮されているか
  • 使用場面に合った耐水性があるか

を確認します。

一方、3児の父としては、

  • 忙しい朝でも塗りやすいか
  • 子どもが嫌がりにくいか
  • 白く残りにくいか
  • 帰宅後に落としやすいか
  • 家族で続けやすい価格か

も大切だと感じます。

ここでは、医学的な優劣をつけるランキングではなく、使う場面に合わせて選びやすい製品を紹介します。

① 普段の散歩や通園に使いやすい:ママ&キッズ UVライトベール

ママ&キッズ (Mama&Kids)【公式】 UVライトベール 90ml SPF23/PA++ 日焼け止め 赤ちゃん 子ども 大人 0ヶ月から | ベビー UVミルク 無香料 お湯で落ちる

**SPF23・PA++**で、散歩、通園、買い物などの普段使いにちょうどよい紫外線防御力です。

生まれてすぐの赤ちゃんから使用でき、お湯で落とせるため、帰宅後の負担を減らしたい家庭にも使いやすいでしょう。

毎日使う日焼け止めは、最高値のSPFよりも、塗ることと落とすことを負担なく続けられるかが重要です。

② 敏感肌が気になる赤ちゃんに:ドゥーエ ベビー 日焼け止めミルク

ドゥーエ 2e ベビー 日焼け止めミルク 40mL

**SPF20・PA++**で、生後1か月から使用できます。

紫外線吸収剤、香料、アルコールを使用しておらず、低刺激性を重視して選びたい場合の候補になります。

すべての子どもに刺激が起こらないわけではありませんが、赤ちゃんや敏感肌の子どもに使用する製品として検討しやすいでしょう。

③ 家族で気軽に普段使いしたい:ピジョン UVベビーミルク Wプロテクト

ピジョン PIGEON UVベビーミルク Wプロテクト SPF20 45g

**SPF20・PA++**で、生後0か月から使用できます。

紫外線吸収剤、香料、アルコールを使用しておらず、お湯で落とせるタイプです。短時間の散歩や普段の外出に使いやすいでしょう。

赤ちゃんだけでなく、きょうだいで同じ製品を使いたい家庭にも選びやすいタイプです。

④ 海やプールなどの水遊びに:ピジョン UVベビーミルク ウォータープルーフ SPF50+

ピジョン Pigeon UVベビーミルク ウォータープルーフ SPF50+ 18g

**SPF50+・PA++++、UV耐水性★★**の製品です。

生後0か月から使用でき、海やプールなど、水に濡れる場面でしっかり対策したい場合の選択肢になります。

ただし、子どもの日常生活で常にSPF50+が必要なわけではありません。普段用と水遊び用を分けて使うと、選びやすくなります。

耐水性のある製品でも、泳いだあとやタオルで体を拭いたあとは塗り直してください。落とすときは、商品の表示に従ってベビーソープなどを使用しましょう。

日焼け止めを購入するときの注意点

日焼け止めの合う・合わないには個人差があります。初めて使う製品は狭い範囲で試し、赤みやかゆみが出ないか確認してから使用してください。

また、配合成分、対象月齢、SPF・PA、耐水性、落とし方などは変更される場合があります。購入時には、商品のパッケージや公式サイトで最新情報を確認してください。

※掲載している商品の仕様は、記事公開時点の情報です。特定の商品がすべてのお子さんに合うことを保証するものではありません。

👉 普段用は塗りやすさと落としやすさ、水遊び用は耐水性を重視して使い分けるのがおすすめです。

日焼けしてしまったときのケア

子どもの皮膚が赤くなり、触ると熱を持っている場合は、まず冷やしましょう。

冷たい水で濡らしたタオルを当てる、冷たいシャワーを優しくかけるなどして、熱や痛みが落ち着くまで冷やします。

保冷剤を使用する場合はタオルで包み、皮膚に直接当てないようにしてください。

熱が落ち着いたら、刺激の少ない保湿剤を優しく塗ります。皮膚をこすったり、無理に皮をむいたりしてはいけません。

水ぶくれができた場合も、自宅でつぶさないでください。水ぶくれが破れると、そこから細菌が入り、感染を起こすことがあります。

**強い日差しのもとで過ごしたあとは、汗によって体内の水分も失われていることがあります。**涼しい場所で休ませ、飲めるようであれば水分を少しずつ与えましょう。

👉 日焼けしたら、まず冷やし、熱が落ち着いてから優しく保湿しましょう。



医療機関を受診する目安

軽い赤みだけで、冷やしたあとに痛みが落ち着き、元気に水分をとれている場合は、自宅で様子をみられることが多いでしょう。

一方で、次のような場合は医療機関を受診してください。

  • 広い範囲が強く赤くなっている
  • 強い痛みが続いている
  • 大きな水ぶくれや、多数の水ぶくれがある
  • 顔や目の周りが強く腫れている
  • 水ぶくれが破れ、膿や強い赤みが出てきた
  • 発熱がある
  • 乳児が強い日焼けをした
  • 日焼け後の皮膚症状について判断に迷う

また、日焼けをするような強い日差しのもとでは、熱中症を同時に起こしている可能性があります。

  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • 自分で水分をとれない
  • 何度も吐いている
  • 尿が極端に少ない
  • けいれんしている

このような症状がある場合は、単なる日焼けと考えず、早急に医療機関を受診してください。

意識がおかしい、けいれんしている、自力で水分をとれないなどの重い症状がある場合は、救急車を要請しましょう。

👉 強い皮膚症状に加えて、ぐったり、水分がとれない、意識がおかしい場合は、熱中症も考えて早急に受診しましょう。

まとめ

子どもの紫外線対策では、日焼け止めだけに頼らず、外出する時間や服装を工夫することが大切です。

  • 日差しの強い時間帯の長時間の外出を避ける
  • 日陰、帽子、薄手の長袖を活用する
  • 日常生活はSPF15~20、PA++程度を目安にする
  • 海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安にする
  • 水遊びではUV耐水性★・★★を確認する
  • 赤ちゃんは日陰や衣類を優先し、露出部分に日焼け止めを使う
  • 顔には目安量を2回に分けて塗る
  • 2~3時間ごと、汗や水のあとに塗り直す
  • 日焼けしたら、まず冷やしてから保湿する
  • 水ぶくれや強い痛み、広い範囲の赤みがある場合は受診する
  • ぐったりしている、水分がとれない、意識がおかしい場合は熱中症も疑う

紫外線を完全に避ける必要はありません。子どもの年齢や外出する場所に合わせて対策し、夏の外遊びを安全に楽しみましょう。

👉 日陰・帽子・衣類・日焼け止めを上手に組み合わせ、子どもの肌を強い紫外線から守りましょう。