【小児科専門医監修】子どもが夜に「足が痛い」と泣く!―成長痛の特徴・家庭での対処法・受診の目安

【小児科専門医監修】子どもが夜に「足が痛い」と泣く!―成長痛の特徴・家庭での対処法・受診の目安

はじめに

夜、子どもが突然、

「足が痛い」
「膝が痛くて眠れない」

と泣き出したことはありませんか?

強く痛がっていたのに、翌朝には何事もなかったように走り回っていると、

「これは成長痛なの?」
「骨が伸びているから痛いの?」
「病院へ行った方がいい?」

と迷う親御さんも多いと思います。

子どもが夕方から夜に足を痛がり、翌朝には元気になっている場合、一般に「成長痛」と呼ばれる状態が考えられます。

ただし、すべての足の痛みを成長痛として片づけてよいわけではありません。

この記事では、成長痛の特徴、家庭でできる対処法、医療機関を受診する目安について解説します。


成長痛とは?

成長痛とは、主に幼児から学童期にみられる、原因のはっきりしない一過性の足の痛みです。

医学的に統一された明確な定義はありませんが、一般的には、

  • 夕方から夜に足を痛がる
  • しばらくすると自然に治まる
  • 翌朝には痛みがなくなっている
  • 日中は元気に歩いたり走ったりできる
  • 腫れや赤みなどの異常がない

といった特徴をもつ痛みを成長痛と呼びます。

骨や関節の特定の病気を表す名前ではなく、成長期にみられる特徴的な足の痛みをまとめた呼び方です。


成長痛の典型的な特徴

成長痛は一般に3~12歳頃にみられ、特に幼児から小学校低学年に多いとされています。

よくみられる特徴は次のとおりです。

  • 夕方から夜に痛む
  • 夜中に痛みで目を覚ますことがある
  • 数十分から数時間で治まる
  • 翌朝には普段どおり歩ける
  • 太もも、膝の周囲、ふくらはぎなどを痛がる
  • 両足にみられることが多い
  • 痛くない日もあり、不定期に繰り返す
  • 腫れ、赤み、熱感がない
  • 日中の遊びや運動に支障がない

成長痛は両足にみられることが多いものの、片足だけを痛がることもあります。


「骨が伸びるから痛い」は本当?

「成長痛」という名前から、骨が伸びることで痛みが起こると思われがちです。

しかし、骨が伸びること自体が痛みを起こすという医学的な根拠はありません。

そのため、成長痛があるからといって、

  • 今まさに身長が急激に伸びている
  • 痛みが強いほど身長が伸びる
  • 将来背が高くなる

というわけではありません。

成長痛の原因は、現在もはっきり分かっていません。

これまでに、日中の活動による筋肉の疲れ、痛みの感じやすさ、睡眠や心理面など、複数の要因が関係する可能性が考えられています。

ただし、「ストレスが原因」「甘えているだけ」と決めつけるのは適切ではありません。痛みは子どもが実際に感じているものとして受け止めましょう。


子どもが足を痛がったときに確認すること

夜に子どもが足を痛がったら、まず次の点を確認します。

  • どこが痛むか
  • 両足か片足か
  • 腫れや赤みはないか
  • 触ると熱くないか
  • 傷やあざはないか
  • 足を動かせるか
  • 普段どおり歩けるか
  • 発熱や元気の低下はないか

強く押したり、無理に関節を動かしたりする必要はありません。

繰り返す場合は、

  • 痛んだ日時
  • 痛む場所と左右
  • どのくらい続いたか
  • その日の運動や活動
  • 翌朝には治っていたか
  • 歩き方に変化があったか

を記録しておくと、受診時に役立ちます。

腫れや歩き方の変化がある場合は、写真や動画を残しておくのもよいでしょう。


家庭でできる対処法

典型的な成長痛が考えられ、腫れや発熱、歩行の異常がなければ、次のように対応します。

① やさしくさする

痛む場所を、手のひらでやさしくさすります。

強くもんだり、痛い場所を何度も押したりする必要はありません。保護者に触れてもらう安心感によって、痛みが和らぐこともあります。

② 温める

温かいタオルを当てたり、入浴したりすると、楽になる子もいます。

ただし、腫れ、赤み、熱感、けががある場合は、自己判断で温めず受診を検討してください。

③ 安心できるように声をかける

「痛くないでしょ」
「我慢しなさい」

と否定せず、

「痛かったね」
「ここをさすってみようか」
「一緒に少し休もう」

と声をかけましょう。

④ 痛くないときに軽くストレッチする

痛みがない日中に、太ももやふくらはぎを軽く伸ばす方法もあります。

ただし、ストレッチの効果に関する研究は限られています。子どもが痛がったり嫌がったりする場合は、無理に行う必要はありません。

⑤ 薬を使うときは確認する

成長痛の多くは短時間で治まり、特別な薬を必要としません。

痛みが強い場合には鎮痛薬を使うこともありますが、年齢や体重に合った薬を医師や薬剤師に確認してください。湿布や塗り薬にも使用できる年齢があります。

鎮痛薬を何度も必要とするほど痛みが続く場合は、薬で様子を見続けず医療機関へ相談しましょう。


医療機関を受診する目安

子どもの足の痛みには、成長痛以外にも、けが、関節や骨の病気、感染症など、さまざまな原因があります。

家庭で病名を見分けようとするのではなく、典型的な成長痛から外れる症状がないかを確認することが大切です。

早めに医療機関へ相談してほしい症状

  • 朝になっても痛みが残っている
  • 日中も痛がる
  • 片足の同じ場所を繰り返し痛がる
  • 痛みが徐々に強くなっている
  • 足を引きずっている
  • 急に歩けなくなった
  • 片足に体重をかけられない
  • 関節が動かしにくい
  • 腫れ、赤み、熱感がある
  • 押すと特定の場所を強く痛がる
  • 発熱を伴う
  • 痛みで睡眠や日常生活に支障が出ている
  • 食欲や元気が低下している
  • 体重減少や原因不明のあざがある
  • 大きなけがのあとから痛がっている
  • 顔色が悪く、ぐったりしている

特に、赤字の症状を認めている場合は、夜間や休日でも医療機関へ相談してください。

夜間や休日に受診すべきか迷う場合は、「#8000(こども医療電話相談)」を利用する方法もあります。


まとめ

  • 成長痛は、主に幼児から学童期にみられる原因不明の足の痛み
  • 夕方から夜に痛み、翌朝には治っているのが典型
  • 太もも、膝の周囲、ふくらはぎなどを痛がることが多い
  • 日中は元気で、腫れや赤み、熱感はみられない
  • 骨が伸びること自体が痛みの原因と証明されているわけではない
  • 成長痛があるから身長が伸びる、背が高くなるとは限らない
  • 家庭では、やさしくさする、温める、安心させる
  • 繰り返す場合は、痛む時間、場所、左右、持続時間を記録する
  • 日中の痛み、歩行異常、腫れ、発熱があれば受診する
  • 発熱を伴う、急に歩けない、片足に体重をかけられない場合は早めに相談する

👉 夜に足を痛がっても翌朝には元気なら成長痛の可能性がありますが、「朝も痛い」「歩けない」「腫れや発熱がある」場合は、成長痛と思い込まず医療機関へ相談しましょう。