何歳までに歩けるようになればいいの?― 子どもの歩き始めの目安を小児科専門医が解説

何歳までに歩けるようになればいいの?― 子どもの歩き始めの目安を小児科専門医が解説

はじめに

公園や保育園で、
同じくらいの月齢の子が歩いているのを見ると、
つい比べてしまうことはありませんか?

「まだつかまり立ちだけ…」
「本当にこのまま様子を見ていて大丈夫?」

そんな不安は、
決して珍しいものではありません

この記事では、
歩行発達の目安と、
心配になるポイント・ならないポイントを、
小児科専門医の視点で整理します。

👉 必要以上に不安にならないための指標をお伝えします。


子どもはいつ頃から歩き始めるの?

一般的に、子どもがひとりで歩き始める時期は、

  • 早い子で 10か月前後
  • 多くの子が 12〜15か月頃
  • ゆっくりな子では 16〜18か月頃

と、かなり幅があります

「1歳になったら歩く」というイメージを持たれがちですが、
これはあくまで平均的な目安であり、
1歳で歩いていなくても、それだけで異常というわけではありません。

👉 歩き始めの時期には、想像以上に大きな個人差があります。


「何歳までに歩ければOK?」の目安

小児科の立場からお伝えすると、
18か月(1歳6か月)頃までに、ひとり歩きが見られれば
多くの場合は大きな心配はいりません。

このため、日本の乳幼児健診でも
1歳6か月健診がひとつの重要な節目になっています。

  • つかまり立ちができる
  • 伝い歩きができる
  • 歩こうとする意欲がある

こうした様子があれば、
歩く準備は着実に進んでいると考えられます。

👉 「1歳半」が、ひとつの安心ラインになります。


歩くのが遅い=発達が遅れている?

多くの親御さんが心配されますが、
歩き始めが遅い=発達全体が遅れているとは限りません。

実際には、

  • 体が小さめ・慎重な性格
  • ハイハイがとても得意で長かった
  • 周囲に歩く必要があまりない環境

など、さまざまな理由で歩き始めが遅くなることがあります。

一方で、

  • 言葉の理解
  • 表情ややりとり
  • 手先の動き

などが年齢相応であれば、
歩行だけがゆっくりでも問題ないケースは多いです。

👉 歩行だけを切り取って判断しないことが大切です。


「様子見」でよい場合のポイント

次のような様子があれば、
少し安心して見守ってよいことが多いです。

  • つかまり立ち・伝い歩きができる
  • 両足でしっかり体重を支えられる
  • 親の呼びかけに反応し、意思疎通ができる
  • 動くこと自体は好きそう

このような場合、
歩き出すタイミングが少し遅れているだけで、
ある日突然スタスタ歩き始めることも珍しくありません。

👉 「準備が整うのを待っている段階」と考えてよいことが多いです。


受診を考えたほうがよいサイン

一方で、次のような場合には
一度小児科で相談することをおすすめします。

  • 18か月を過ぎても、立とうとしない
  • 体重を足にかけるのを極端に嫌がる
  • 左右差が強く、片側をほとんど使わない
  • 筋肉が極端に柔らかい、または硬い感じがする
  • 言葉ややりとりの面でも気になる点がある

これは「すぐに病気」という意味ではなく、
必要があれば専門的な視点で確認するためす。

👉 早めの相談は「不安を減らすため」の行動です。


親ができる関わり方・避けたいこと

歩かせようとして、
無理に手を引いたり、立たせ続けたりする必要はありません。

大切なのは、

  • 安全に動ける環境を整える
  • ハイハイや伝い歩きを十分させる
  • 「できた・できない」で叱らない

歩行は、
筋力・バランス・意欲がそろって初めて自然に出てきます。

👉 焦らせないことが、いちばんのサポートです。


まとめ

  • 歩き始めは 10〜18か月頃と個人差が大きい
  • 1歳半頃までに歩けば多くは心配いらない
  • 歩くのが遅くても、他の発達が順調なら問題ないことが多い
  • 気になるサインがあれば、早めに小児科へ相談してよい
  • 焦らせず、環境を整えて見守ることが大切