目次
はじめに
子どもが突然鼻血を出すと、出血量が多く見えて驚くことがあります。
「上を向かせた方がいい?」
「ティッシュを詰めればいい?」
「何度も繰り返すのは病気?」
このように迷う親御さんも多いでしょう。
子どもの鼻血の多くは、鼻の入り口付近にある細い血管からの出血です。正しい場所を圧迫すれば、家庭で止められることがほとんどです。
一方で、正しく圧迫しても止まらない場合や、鼻血以外の出血症状を伴う場合は、医療機関への相談が必要です。
この記事では、子どもの鼻血の原因、正しい止め方、家庭でできる再発予防、受診の目安を解説します。
子どもはなぜ鼻血を出しやすい?
子どもの鼻血の多くは、左右の鼻を隔てる壁である「鼻中隔」の入り口付近から出ています。
この部分には細い血管が集まっており、粘膜も薄いため、鼻をいじる、こする、強くかむといったわずかな刺激でも出血します。
特に、次のようなときは鼻血が出やすくなります。
- 鼻をほじった
- 鼻を強くかんだ
- 鼻や顔をぶつけた
- 空気が乾燥している
- 鼻水や鼻づまりがある
- アレルギー性鼻炎で鼻をよくこする
- 風邪などで鼻の粘膜が荒れている
子どもの鼻血は、鼻の奥深くから出ているとは限りません。多くは、鼻の入り口から少し入ったところにできた傷が原因です。
👉 子どもの鼻血の多くは、鼻の入り口付近の粘膜をいじったり、こすったりすることで起こります。
子どもの鼻血の正しい止め方
鼻血が出たときは、慌てずに次の手順で止血しましょう。
1.椅子に座らせる
椅子などに座らせて、顔を少し下に向けます。
横になったり上を向いたりすると、血液が喉へ流れ込みやすくなります。
2.口に流れた血を吐き出させる
口の中へ流れてきた血は、飲み込ませずにティッシュや洗面器などへ吐き出させます。
血液をたくさん飲み込むと、胃が刺激され、気持ち悪くなったり吐いたりすることがあります。
3.左右両方の小鼻をつまむ
親指と人差し指で、左右両方の小鼻の柔らかい部分を閉じ、鼻中隔へ押しつけるようにつまみます。
鼻の穴が閉じる程度にしっかり圧迫し、圧迫している間は口で呼吸させましょう。
鼻の付け根にある硬い骨の部分を押さえても、十分な止血効果は期待できません。
4.10分間、途中で離さない
時計を見ながら、10分間続けて圧迫します。
「もう止まったかな」と途中で指を離すと、できかけた血のかたまりがはがれ、再び出血することがあります。
5.止まらなければもう一度圧迫する
10分間圧迫しても出血が続く場合は、つまむ位置を確認し、もう一度10分間圧迫します。
合計20分ほど正しく圧迫しても止まらない場合は、医療機関へ相談してください。

👉 少し下を向かせ、左右の小鼻を10分間、途中で離さずにつまみましょう。
鼻血が出たときに避けたいこと
上を向かせる
上を向いても、鼻血そのものが止まるわけではありません。
血液が喉へ流れ、むせたり、気持ち悪くなったりするため、顔は少し下向きにします。
仰向けに寝かせる
寝かせると血液が喉へ流れやすくなります。意識がはっきりしている場合は、座った姿勢で止血してください。
鼻の付け根をつまむ
目と目の間に近い硬い部分ではなく、小鼻の柔らかい部分を圧迫します。
何度も指を離して確認する
圧迫を途中でやめると、再出血しやすくなります。10分間は連続して圧迫しましょう。
ティッシュを鼻の奥まで詰める
家庭では、まず小鼻を直接圧迫することが基本です。
ティッシュを鼻の奥へ詰めると、抜くときに傷口をこすり、再出血することがあります。ティッシュは鼻の外へ出た血を拭く程度にしましょう。
首の後ろをたたく
首の後ろをたたいても、鼻血を止める効果は期待できません。

👉 「上を向かせる」のではなく、少し下を向かせて小鼻を圧迫することが大切です。
鼻血が止まったあとの注意点
鼻血が止まっても、傷ついた血管はすぐに完全には治りません。血のかたまりがはがれると、再び出血することがあります。
止血後数時間は、次のことに注意しましょう。
- 鼻をほじらない
- 鼻を強くかまない
- 鼻の中をティッシュでこすらない
- 激しい運動を控える
- 熱いお風呂や長風呂を避ける
特に、鼻血を繰り返しやすい場合や止血して間もない場合は、当日の激しい運動、熱いお風呂、長風呂を控えましょう。入浴する場合は、ぬるめのシャワーで短時間にすると安心です。
👉 止血後もしばらくは鼻を触らず、再出血を防ぎましょう。
鼻血を何度も繰り返す原因は?
鼻血を繰り返すと、重大な病気ではないかと心配になるかもしれません。
しかし、子どもの繰り返す鼻血の多くは、次のような原因で起こります。
鼻を触る癖がある
一度できた傷が治りきる前に鼻を触ると、同じ場所から何度も出血します。
爪が伸びていると粘膜を傷つけやすいため、短く整えておきましょう。
鼻炎や鼻づまりがある
アレルギー性鼻炎や風邪で鼻がかゆいと、鼻をこすったり、ほじったりする回数が増えます。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続いている場合は、鼻炎の治療が再発予防につながることがあります。
空気が乾燥している
乾燥すると、鼻の粘膜が傷つきやすくなります。
室内の加湿を心がけ、エアコンの風が直接当たり続けないようにしましょう。鼻の中の乾燥やかさぶたを繰り返す場合は、医療機関へ相談してください。
傷が治る前に再出血している
鼻の粘膜が治るまでには時間がかかります。
同じ場所を繰り返し刺激すると、病気が悪化しているのではなく、傷が治らないまま再出血していることがあります。
鼻血を繰り返していても、鼻血だけを症状として重大な血液の病気が見つかることは多くありません。
一方で、あざが増えた、歯ぐきからも出血する、発熱や顔色不良が続くといった症状を伴う場合は、医療機関へ相談してください。
👉 繰り返す鼻血では、鼻いじり・鼻炎・乾燥への対策が重要です。
早めに医療機関へ相談してほしい症状
子どもの鼻血の多くは心配のないものですが、次のような場合は小児科や耳鼻咽喉科へ相談してください。
- 正しい方法で合計20分ほど圧迫しても止まらない
- 出血量が多い
- 顔色が悪い、ふらつく、ぐったりしている
- 鼻血の回数や量が増えてきた
- 数週間から数か月にわたり頻繁に繰り返している
- いつも同じ側から出血する
- 片側だけの鼻づまりや、においのある鼻水を伴う
- 鼻の中へ異物を入れた可能性がある
- 強く鼻や顔、頭をぶつけたあとに出血した
- 鼻血だけでなく、あざが増えた
- 歯ぐきなど、鼻以外の場所からも出血する
- 発熱や顔色不良など、ほかの症状を伴う
- 出血しやすい病気がある
- 血液を固まりにくくする薬を使用している
- 2歳未満で、ぶつけた、鼻を触ったなどの明らかなきっかけなく鼻血が出た
2歳未満の子どもに一度少量の鼻血が出ただけで、重大な病気を意味するわけではありません。ただし、年長児と比べて鼻血は少ないため、原因が分からない場合や繰り返す場合は相談しましょう。
また、血液を飲み込んだあとに吐くことはありますが、吐いたあとも顔色が悪い、ぐったりしている、何度も吐く場合は受診が必要です。
次のような場合は、すぐに救急要請してください。
- 呼びかけへの反応がおかしい
- 呼吸が苦しそう
- 急速に顔色が悪くなる
- 止血できないほどの大量出血が続く

👉 止まらない鼻血や、ほかの出血症状を伴う鼻血は、医療機関へ相談してください。
まとめ
- 子どもの鼻血の多くは、鼻の入り口付近の細い血管から出る
- 鼻いじり、鼻炎、乾燥、強く鼻をかむことなどが原因になる
- 椅子に座らせ、顔を少し下に向ける
- 左右両方の小鼻を10分間、途中で離さずにつまむ
- 口へ流れた血は、飲み込まずに吐き出す
- 上を向かせたり、仰向けに寝かせたりしない
- ティッシュを鼻の奥へ詰めず、まずは直接圧迫する
- 止血後は鼻を触らず、激しい運動や長風呂を控える
- 繰り返す場合は、鼻いじり、鼻炎、乾燥への対策を行う
- 合計20分ほど圧迫しても止まらない場合は受診する
- 大量出血、顔色不良、ほかの部位からの出血がある場合も受診する
- 意識がおかしい、呼吸が苦しい、止血できない大量出血では救急要請する
👉 鼻血が出たら、少し下を向かせて左右の小鼻を10分間圧迫する――まずはこの方法を覚えておきましょう。

