目次
🍼 はじめに
「うちの子、ちゃんと見えてるのかな?」
赤ちゃんを見つめながら、そう思ったことはありませんか?
新生児の視力はまだ発達の途中で、大人と同じように見えているわけではありません。
赤ちゃんの“見る力”は、生まれてから少しずつ育っていきます。
この記事では、赤ちゃんの視力の発達の流れや、家庭で気をつけたいポイントを
小児科の視点からわかりやすく解説します。
👁️ 赤ちゃんの視力はどのくらい?
生まれたばかりの赤ちゃんの視力は、およそ0.01〜0.02程度。
明るい・暗いがなんとなく分かるくらいで、
お母さんやお父さんの顔もぼんやりとした輪郭しか見えていません。
ただ、この発達スピードはとても速く、
生後2〜3か月になると少しずつ顔をじっと見つめたり、
動くものを目で追う「追視(ついし)」が見られるようになります。
生後6か月ごろには視力が0.2程度まで成長し、
表情を見分けたり、距離感をつかむ力も育ってきます。
1歳を迎えるころには0.4〜0.6程度まで発達し、
2歳を過ぎるころには大人に近い見え方ができるようになります。
👉 視力の発達は“見る練習”の積み重ね。赤ちゃんは日々、世界を学んでいるのです。
🧠 「見る力」は“目”ではなく“脳”でも育つ
私たちはつい「視力=目の性能」と思いがちですが、
実際には“見る力”は脳の発達と深く関係しています。
目から入った情報を、脳の視覚野が理解・処理することで
初めて「見える」ことが成立します。
この脳の視覚野が急速に発達するのが、生後3か月〜1歳半ごろ。
この期間は“感受性期”と呼ばれ、視覚刺激を多く受けることが
その後の視力形成にとても大きな影響を与えます。
👉 顔を見ながら話しかける、色や形の違うおもちゃを見せるなど、
日常の中での関わりが赤ちゃんの視覚を自然に育てます。
🩺 こんなサインがあれば要チェック
多くの赤ちゃんの視力は自然に発達しますが、
一部には早期の対応が必要なケースもあります。
次のような様子が続くときは、小児科や眼科での相談をおすすめします。
- 生後3か月を過ぎても目が合わない、物を目で追わない
- 片方の目が内側・外側に向いている(斜視の可能性)
- 光に強く反応したり、まぶしがる
- 黒目が白く見える(白色瞳孔の疑い)
これらは、弱視や先天性白内障、網膜の異常などのサインであることもあります。
視覚の発達には“感受性期”があるため、
異常を見逃すと将来の視力に影響することがあります。
👉 「少し気になるかも」と感じたら、“様子見”せずに早めに受診を。
🏡 おうちでできる目の育て方
赤ちゃんの視力を育てるためには、特別な訓練は必要ありません。
日常生活の中に、十分な刺激があふれています。
- 明るい昼間に、顔を見ながら話しかける
- カラフルなおもちゃや絵本を見せる
- 照明はまぶしすぎない自然な明るさに
- スマホやテレビを長時間・近距離で見せない
- 外の景色や自然光に触れる時間を大切に
👉 赤ちゃんにとって、家族の表情こそが最高の“ビジョントレーニング”です。
👓 健診での視力チェックも忘れずに
1か月健診、3〜4か月健診、1歳半健診などでは、
視線の動きや目の反応などを確認します。
特に1歳半ごろは、斜視や弱視の兆候を見つけるチャンス。
家庭で判断が難しいことも多いため、
健診や予防接種のタイミングで医師に相談しておくと安心です。
🧩 まとめ
- 新生児の視力は約0.01〜0.02。明暗が分かるレベル
- 生後2〜3か月で追視が始まり、6か月で0.2程度まで発達
- 「見る力」は脳で育つ。家庭での刺激が大切
- 目が合わない・黒目の白濁・片目のずれなどは早めに相談
- 健診や視力チェックを通して、発達を見守ることが大切
👉 赤ちゃんの視力発達は、家族とのふれあいが何よりのサポートです。

