目次
はじめに
「まだ言葉が出ていないんですが、大丈夫でしょうか?」
診察室で、とてもよく聞かれる相談のひとつです。
周りの子が「ママ」「ワンワン」と話し始めると、
わが子だけ遅れているのではと不安になりますよね。
でも、言葉の発達には
想像以上に大きな個人差があります。
この記事では、
「何歳までに言葉が出ればよいのか」
「どこまで様子を見てよいのか」を、
小児科専門医の立場からわかりやすく解説します。
👉 読み終わる頃には、少し安心できるはずです。
子どもはいつ頃から言葉を話し始めるの?
言葉の発達は、ある日突然始まるものではありません。
実際には、次のような段階を踏んで進んでいきます。
- 生後数か月:喃語(あー、うー)
- 6〜9か月頃:バババ、ダダダなどの反復喃語
- 10〜12か月頃:意味のある声かけが増える
- 1歳前後:「ママ」「パパ」などの初語
- 1歳半頃:意味の分かる言葉が少しずつ増える
この流れには、
かなり幅のある個人差があります。
👉 「まだ話さない=異常」と短絡的に考える必要はありません。
「何歳までに話せればOK?」の目安
小児科の立場からのひとつの目安は、
1歳半頃までに意味のある言葉がいくつか出てくるかどうかです。
そのため、日本では
1歳6か月健診が重要な節目になっています。
この時期に見ているのは、
- 意味のある言葉が出ているか
- 言葉がなくても、指さしやジェスチャーで意思表示できるか
- 大人の言葉を理解している様子があるか
といった点です。
👉 「1歳半」が、ひとつの大きな安心ラインです。
言葉が少なくても心配しすぎなくていいケース
「言葉が出ない=発達が遅れている」
というわけではありません。
次のような場合は、
少しゆっくりでも問題ないことが多いです。
- 指さしで要求ができる
- 名前を呼ぶと振り向く
- 簡単な指示が通る
- 表情が豊かで、やりとりができる
こうした様子は、
言葉の土台がしっかり育っているサインです。
👉 言葉の「量」だけで判断しないことが大切です。
「言葉が遅い」と感じる理由はさまざま
言葉の出方には、性格や環境も影響します。
例えば、
- おっとりした性格
- 周囲が先回りしてくれる環境
- 兄姉が話してくれるため、自分が話す必要が少ない
- まずは理解を優先するタイプ
こうした子どもは、
理解は十分でも、話し始めが遅いことがあります。
ある日突然、
言葉が一気に増えることも珍しくありません。
👉 「今はためている時期」と考えられることも多いです。
受診を考えたほうがよいサイン
一方で、次のような場合には
一度小児科で相談することをおすすめします。
- 1歳半を過ぎても意味のある言葉が全く出ない
- 指さしや身振りもほとんどない
- 名前を呼んでも反応が乏しい
- 視線が合いにくい、やりとりが成立しにくい
- 言葉の理解も乏いように感じる
これは「病気を決めつける」ためではなく、
必要があれば専門的な支援につなぐためです。
👉 早めの相談は、決して悪いことではありません。
親ができる関わり方・避けたいこと
言葉を増やそうとして、
無理に言わせたり、何度も繰り返させたりする必要はありません。
大切なのは、
- 子どもの行動に言葉を添える
- 絵本を一緒に楽しむ
- 話しかけに対してしっかり反応する
- 間違いを直そうとしすぎない
言葉は、
安心できるやりとりの中で自然に育ちます。
👉 「教える」より「一緒に楽しむ」姿勢が大切です。
まとめ
- 言葉の発達には大きな個人差がある
- 1歳半頃がひとつの目安
- 言葉が少なくても、理解ややりとりができていれば心配ないことが多い
- 気になるサインがあれば、早めに小児科へ相談してよい
- 焦らず、日常の関わりを大切にすることが一番の近道

