「食物アレルギーがありますね」
この言葉を医師から聞いた瞬間、
多くの親御さんの頭の中には、さまざまな不安が一気に浮かびます。
- もうこの食べ物は一生食べられないの?
- 間違って食べたら、命に関わるの?
- 家でも外でも、ずっと気を張らなきゃいけない?
- 親の管理が悪かったのでは…?
でも、まず最初に知っておいてほしい大切なことがあります。
食物アレルギー=一生食べられない、ではありません。
目次
食物アレルギーとは何が起きている状態?
食物アレルギーとは、
本来は体に害のない「食べ物」に対して、免疫が過剰に反応してしまう状態です。
免疫は、ウイルスや細菌から体を守るための重要な仕組みですが、
ときに「敵ではないもの」を敵と勘違いしてしまうことがあります。
その結果、
- 皮膚症状(じんましん、赤み、かゆみ)
- 呼吸器症状(咳、ゼーゼー、息苦しさ)
- 消化管症状(嘔吐、腹痛、下痢)
といった症状が現れます。
👉 体が弱いから起こるわけでも、育て方の問題でもありません。
食物アレルギーには「症状の出方」の違いがある
「食物アレルギー」と聞くと、
食べてすぐ症状が出るイメージを持つ方が多いと思います。
実際には、主に次の2つのタイプがあります。
● 即時型アレルギー
- 食後数分〜2時間以内に症状が出る
- じんましん、咳、嘔吐、ゼーゼーなどが代表的
- 一般的にイメージされやすいタイプ
● 非即時型(遅れて出るタイプ)
- 食後数時間〜半日ほどして症状が出る
- 嘔吐、下痢、不機嫌など消化管症状が中心
- 赤ちゃんでは気づきにくいこともある
👉 「食べた直後に何もなかった=完全に安全」とは限らない場合があります。
「とにかく除去」が正解ではなくなってきている
以前は、
「食物アレルギーがあるなら、原因食品は完全に除去する」
という考え方が一般的でした。
しかし近年の研究や臨床経験から、
必要以上の除去は、必ずしも子どものためにならない
ことが分かってきています。
現在の基本的な考え方
- 不必要な完全除去は、将来的な不利益につながることがある
- 安全な範囲で“食べられる量”を正確に知ることが重要
- 成長とともに耐性(経口免疫)が育つ可能性を大切にする
つまり、
除去はゴールではなく、一時的な手段です。
👉 「食べないこと」より、「どう向き合うか」が大切です。
食物アレルギーは「成長とともに変化する」
特に乳幼児期の食物アレルギーでは、
- 年齢とともに症状が軽くなる
- 少量なら問題なく食べられるようになる
- いつの間にか制限が不要になる
といった経過をたどることも珍しくありません。
もちろん個人差はあり、
すべてのアレルギーが自然に治るわけではありませんが、
「今の状態が一生続く」と決めつける必要はありません。
👉 現在の診断は「一生の宣告」ではありません。
親御さんに一番伝えたいこと
食物アレルギーの対応は、
「間違えたら大変なことになる」というプレッシャーが強く、
親御さんが必要以上に自分を責めてしまうことも少なくありません。
でも大切なのは、
- 正しい知識を持つこと
- 必要以上に怖がりすぎないこと
- 医師と一緒に状況を整理していくこと
これだけで、
日常生活の負担は大きく軽くなります。
👉 食物アレルギーは、親御さんのせいではありません。
🔵 まとめ
- 食物アレルギーは、免疫の「勘違い」によって起こる
- 「食物アレルギー=一生食べられない」ではない
- 症状の出方には、すぐ出るタイプと遅れて出るタイプがある
- 除去は目的ではなく、将来を見据えた“手段”
- 成長とともに状態が変化することは珍しくない
- 正しい知識が、親御さんと子どもの安心につながる
👉 まずは「正しく知ること」から始めて大丈夫です。

