目次
はじめに
「最近ちょっと体重が増えてきた気がする」
「このままで大丈夫なのかな?」
健診や日常生活の中で、子どもの体型について気になったことがある親御さんは少なくないと思います。
実は今、子どもの肥満は年々増えており、特にコロナ禍以降は過去最高レベルにまで増加しています。
この記事では、子どもの肥満について
- そもそも何をもって「肥満」と言うのか
- なぜ増えているのか
- 成長や発達への影響
- 家庭でできる基本的な対策
を、小児科専門医の立場からやさしく解説します。
子どもの肥満って、どうやって判断するの?
大人ではBMIを使いますが、子どもは成長途中のため、別の指標を使います。
日本では「肥満度」という指標が用いられ、
- 身長・年齢・性別ごとの標準体重と比べて
- 体重が +20%以上 の場合
→「肥満傾向あり」と判断されます。
つまり、「見た目がぽっちゃり」かどうかだけで判断するものではありません。
👉 子どもの肥満は“成長を考慮して評価する”ことが大切です。
なぜ、子どもの肥満は増えているの?
近年、子どもの肥満が増えている背景には、生活環境の変化があります。
- 外遊びの減少
- スマホ・タブレット・ゲームの普及
- スクリーンタイムの増加
- 寝る時間が遅くなる
- 清涼飲料水や加工食品の摂取増加
こうした要因が重なり、**「太りやすい環境」**が当たり前になっています。
また、子どもの肥満の多くは「原発性肥満」と呼ばれ、
- 遺伝的な体質
- 胎内環境や乳児期の栄養
- 幼児期以降の生活習慣
が複雑に関係して起こります。
👉 肥満は「本人のせい」でも「親のせい」でもありません。
肥満は成長にどんな影響があるの?
● 身長への影響
肥満のある子は、幼児期〜学童期に背が高く見えることがよくあります。
しかしその一方で、
- 思春期が早く始まりやすい
- 成長が止まる時期も早くなる
結果として、最終的な身長は平均よりもやや低めになることがあります。
👉 「今大きい=将来も背が高い」とは限りません。
心や発達への影響も見逃せません
近年の研究では、子どもの肥満が
- 運動が苦手になりやすい
- 集中力や注意力が続きにくい
- 学習面でつまずきやすい
- 不安や落ち込みが強くなりやすい
といった、心や脳の発達とも関連することがわかってきました。
また、体型を理由にしたからかいやいじめ、不登校につながるケースもあります。
👉 肥満は「体だけの問題」ではありません。
まず大切なのは「予防」と「早めの気づき」
肥満は、
- 程度が強いほど
- 期間が長いほど
大人になっても続きやすくなります。
そのため、幼児期〜学童期の早い段階で気づくことがとても大切です。
「まだ小さいから大丈夫」と様子を見るより、
「少し気になるな」と思った時点で相談する方が、
結果的に子どもの負担は少なく済みます。
👉 早めの対応が、将来の選択肢を広げます。
家庭でできる基本の対策
① 食生活
小児期の肥満対策で重要なのは、無理な制限をしないことです。
ポイントはこの3つ
- 清涼飲料水・スポーツドリンクを日常的に飲まない
- 1日3食、なるべく同じ時間に食べる
- 夜遅い食事・ダラダラ食べを避ける
和食をベースに、
魚・野菜・海藻・大豆製品を意識するだけでも、体は変わってきます。
👉 「減らす」より「整える」が合言葉です。
② 運動と生活リズム
- できれば 毎日60分程度の体を動かす時間
- まずはスクリーンタイムを 1日2時間以内 に
運動が苦手な子には、
- ウォーキング
- 自転車
- 水遊び・水泳
など、関節に負担の少ない運動からでOKです。
また、十分な睡眠も肥満予防には欠かせません。
👉 運動と睡眠は、体重だけでなく心も整えます。
「体重」より「成長の流れ」を見ていきましょう
子どもの肥満では、体重の数字だけを見るのではなく、
- 身長がきちんと伸びているか
- 体重の増え方が急すぎないか
- 肥満度が少しずつ下がっているか
といった成長のバランスが大切です。
成長曲線を使って経過を見ることで、
親御さんも子ども自身も変化を実感しやすくなります。
👉 比べるのは他の子ではなく、「昨日のわが子」です。
まとめ:子どもの肥満は“一緒に向き合う”もの
子どもの肥満は、必ずしも家族が悪いわけではありません。
今の時代だからこそ起こりやすい、生活環境の問題です。
焦らず、責めず、
できるところから少しずつ。
「気になるな」と思ったら、ぜひ小児科で相談してください。
成長に合わせたサポート方法を、一緒に考えることができます。
👉 子どもの未来のために、今日の小さな一歩を大切に。

