やっと寝た……。
そう思って、そっと布団に置いた瞬間――
👶「ギャーッ!」
思わず天を仰いだ経験、ありませんか?
「抱っこの仕方が悪かった?」
「もっと早く寝かせるべきだった?」
「そもそも、うちの子が寝ないタイプ?」
でも実はこれ、親御さんのやり方の問題ではありません。
赤ちゃんが「置いた瞬間に起きる」のには、ちゃんとした生理的・科学的な理由があります。
今回は、理化学研究所(理研)の研究をもとに、
この現象の正体と、家庭でできる対策をわかりやすく解説します。
目次
抱っこで泣きやむのは「甘え」ではない
まず大前提として、知っておいてほしいことがあります。
赤ちゃんが
- 抱っこすると泣きやむ
- 抱っこで歩くと落ち着く
これは甘えでも、抱き癖でもありません。
理研の研究では、赤ちゃんを
- 抱っこして座る
- 抱っこして歩く
- ベッドに寝かせる
という状況で比較しました。
その結果――
抱っこして「歩く」と、最も泣きやみやすい
抱っこして歩くと、赤ちゃんの心拍数が下がり、体がリラックスすることが確認されました。
これは「輸送反応(Transport response)」と呼ばれる、本能的な反応です。
哺乳類の赤ちゃんは、
「親に運ばれている=安全」
と感じるように、体ができているのです。
👉 抱っこで泣き止むのは、赤ちゃんの正常な反応です。
なぜ「置いた瞬間」に起きるのか?
ここからが本題です。
ポイント① 体の接触が急になくなる
研究で分かった大きな要因の一つが、
親の体から離れる瞬間に覚醒しやすいという点です。
抱っこされている間、赤ちゃんは
- 体が密着している
- 揺れがある
- 親の体温・心音を感じている
という「安心セット」の中にいます。
ところが、布団に下ろされる瞬間に
この安心セットが一気に消えます。
👉 この急激な変化が、赤ちゃんを目覚めさせてしまうのです。
ポイント② 寝た直後は「まだ浅い眠り」
もう一つ重要なのが、睡眠の深さです。
赤ちゃんは眠りに入ってすぐの時間帯、
とても刺激に敏感な「浅い眠り」の状態にあります。
理研の研究では、
- 抱っこで寝た直後に下ろす → 起きやすい
- 少し時間をおいてから下ろす → 起きにくい
という違いがはっきり確認されました。
👉 「寝た=すぐ下ろしてOK」ではない、ということです。
科学的におすすめされる寝かしつけの流れ
研究結果をもとに、家庭で実践しやすい形にまとめると、次の流れになります。
① 泣いていたら、まず抱っこで歩く(約5分)
- 立って歩くのがポイント
- 早く寝かせようと焦らなくてOK
👉 泣き止み、眠りに入りやすくなります。
② 寝たら、すぐ布団に置かない
- 目を閉じた直後はまだ浅い眠り
- 5〜8分ほど待つのがおすすめ
👉 深い眠りに入り、刺激に強くなります。
③ 下ろすときは「ゆっくり・静かに」
- 急な動きは避ける
- できるだけ体の密着を保ったまま下ろす
👉 「突然の変化」を減らすのがコツです。
それでもうまくいかない日は、あります
ここまで読んで、
「全部やっても起きる日がある」
そう思った方もいるかもしれません。
それでいいんです。
赤ちゃんの眠りは、
- 日齢
- 体調
- 発達段階
- その日の刺激量
で、毎日変わります。
👉 うまくいかない日は、誰のせいでもありません。
親御さんに伝えたい一番大事なこと
この研究が教えてくれるのは、
「こうしなさい」という正解ではありません。
- 抱っこは間違っていない
- 泣き止まないのは親のせいではない
- 赤ちゃんは“そういう体の仕組み”をしている
という事実です。
👉 科学は、親を責めるためではなく、楽にするためにあります。
今日少し試してみて、ダメならまた明日。
それで十分です。

