赤ちゃんが「置いた瞬間に起きる」メカニズム― 寝かしつけを科学で紐解く

赤ちゃんが「置いた瞬間に起きる」メカニズム― 寝かしつけを科学で紐解く

2025/12/24(水)

やっと寝た……。
そう思って、そっと布団に置いた瞬間――

👶「ギャーッ!」

思わず天を仰いだ経験、ありませんか?

「抱っこの仕方が悪かった?」
「もっと早く寝かせるべきだった?」
「そもそも、うちの子が寝ないタイプ?」

でも実はこれ、親御さんのやり方の問題ではありません
赤ちゃんが「置いた瞬間に起きる」のには、ちゃんとした生理的・科学的な理由があります。

今回は、理化学研究所(理研)の研究をもとに、
この現象の正体と、家庭でできる対策をわかりやすく解説します。


抱っこで泣きやむのは「甘え」ではない

まず大前提として、知っておいてほしいことがあります。

赤ちゃんが

  • 抱っこすると泣きやむ
  • 抱っこで歩くと落ち着く

これは甘えでも、抱き癖でもありません

理研の研究では、赤ちゃんを

  • 抱っこして座る
  • 抱っこして歩く
  • ベッドに寝かせる

という状況で比較しました。

その結果――

抱っこして「歩く」と、最も泣きやみやすい

抱っこして歩くと、赤ちゃんの心拍数が下がり、体がリラックスすることが確認されました。
これは「輸送反応(Transport response)」と呼ばれる、本能的な反応です。

哺乳類の赤ちゃんは、
「親に運ばれている=安全」
と感じるように、体ができているのです。

👉 抱っこで泣き止むのは、赤ちゃんの正常な反応です。


なぜ「置いた瞬間」に起きるのか?

ここからが本題です。

ポイント① 体の接触が急になくなる

研究で分かった大きな要因の一つが、
親の体から離れる瞬間に覚醒しやすいという点です。

抱っこされている間、赤ちゃんは

  • 体が密着している
  • 揺れがある
  • 親の体温・心音を感じている

という「安心セット」の中にいます。

ところが、布団に下ろされる瞬間に
この安心セットが一気に消えます。

👉 この急激な変化が、赤ちゃんを目覚めさせてしまうのです。


ポイント② 寝た直後は「まだ浅い眠り」

もう一つ重要なのが、睡眠の深さです。

赤ちゃんは眠りに入ってすぐの時間帯、
とても刺激に敏感な「浅い眠り」の状態にあります。

理研の研究では、

  • 抱っこで寝た直後に下ろす → 起きやすい
  • 少し時間をおいてから下ろす → 起きにくい

という違いがはっきり確認されました。

👉 「寝た=すぐ下ろしてOK」ではない、ということです。


科学的におすすめされる寝かしつけの流れ

研究結果をもとに、家庭で実践しやすい形にまとめると、次の流れになります。


① 泣いていたら、まず抱っこで歩く(約5分)

  • 立って歩くのがポイント
  • 早く寝かせようと焦らなくてOK

👉 泣き止み、眠りに入りやすくなります。


② 寝たら、すぐ布団に置かない

  • 目を閉じた直後はまだ浅い眠り
  • 5〜8分ほど待つのがおすすめ

👉 深い眠りに入り、刺激に強くなります。


③ 下ろすときは「ゆっくり・静かに」

  • 急な動きは避ける
  • できるだけ体の密着を保ったまま下ろす

👉 「突然の変化」を減らすのがコツです。


それでもうまくいかない日は、あります

ここまで読んで、

「全部やっても起きる日がある」
そう思った方もいるかもしれません。

それでいいんです。

赤ちゃんの眠りは、

  • 日齢
  • 体調
  • 発達段階
  • その日の刺激量

で、毎日変わります。

👉 うまくいかない日は、誰のせいでもありません。


親御さんに伝えたい一番大事なこと

この研究が教えてくれるのは、
「こうしなさい」という正解ではありません。

  • 抱っこは間違っていない
  • 泣き止まないのは親のせいではない
  • 赤ちゃんは“そういう体の仕組み”をしている

という事実です。

👉 科学は、親を責めるためではなく、楽にするためにあります。

今日少し試してみて、ダメならまた明日。
それで十分です。