乳幼児健診を最大限活かす方法 ― 小児科専門医が徹底解説

乳幼児健診を最大限活かす方法 ― 小児科専門医が徹底解説

はじめに

赤ちゃんの健診は、病気を見つけるためだけではありません。
むしろ、赤ちゃんの成長を“連続的に見守る”ために設計された大切なチェックポイントです。
そして、1か月から3歳までの健診は、どれも発達が大きく変化するため特に重要視され、**「key month(キーマンス)」**と呼ばれています。

健診の目的を知っておくことで、ただ「連れて行くイベント」ではなく、お子さんの未来の育ちを支える場として最大限活用できるようになります。


健診でわかること

① 成長・発達が順調に進んでいるかの確認

赤ちゃんの成長は、月齢ごとに「できること」が大きく変化します。
健診では以下のような項目を、母子手帳の成長曲線を使いながら確認します。

  • 体重・身長・頭囲が適切に増えているか
  • 首すわり、寝返り、はいはい、つかまり立ち、歩行
  • 指先の使い方、物への興味
  • ことばの理解・発語
  • 社会性(人見知り、指差し、コミュニケーション)

👉 発達には個性があり、早い・遅いだけで“良し悪し”を決める必要はありません。気になるときこそ健診を使いましょう。


② 病気や先天的な問題の早期発見

健診のもうひとつの大きな役割は、「見過ごされやすい問題」を早期に発見することです。

  • 心臓の雑音
  • 股関節の異常(先天股脱)
  • 黄疸が長引いていないか
  • 視力・聴力の異常
  • 斜視・屈折異常の可能性
  • 栄養状態(貧血・過体重・低栄養)
  • 皮膚の状態(湿疹・アレルギーの兆候)

これらは、生活の中ではなかなか気づきにくいもの。
健診によって、必要な支援や治療につながりやすくなります。

👉 「心配しすぎかな?」と思うことほど、医師に聞いてください。小さな違和感が大切なサインになることがあります。


③ 育児の相談ができる

健診は“診察”であると同時に、育児全般を相談できる公的サポートの場です。

相談されやすい内容は以下の通り:

  • 夜泣き
  • 授乳やミルク量
  • 離乳食の進め方
  • 便秘やうんちの状態
  • アレルギーや皮膚トラブル
  • 睡眠のリズム
  • 生活環境(安全対策)
  • そして、親のメンタルのことすら含めてOK

健診は、「よくある悩み」を専門家と一緒に整理できる貴重な機会です。

👉 遠慮は不要。“何でも聞ける場所”として健診を最大限使ってください。


健診はいつ受ける?

以下に主な健診のスケジュールをまとめます。

時期健診内容
1か月新生児の健康確認・黄疸・体重増加の評価
4か月首すわり・視線の合い方・発達評価
7か月寝返り〜お座りの発達、離乳食の進み
10か月ハイハイ・つかまり立ち・手づかみ食べ
1歳歩き始め・有意味語の出現・生活リズム
1歳6か月(key month)ことばの理解・指差し・行動面の発達
3歳(key month)会話・視力・聴力・社会性のチェック
5歳就学前の発達・視力・姿勢など

1か月〜3歳はすべて発達の大きな節目であり、厚労省や自治体でも「重点健診」として扱われています。

👉 1か月〜3歳はすべて発達の大きな節目であり、厚労省や自治体でも「重点健診」として扱われています。


健診を最大限活用する3つのコツ

1. 気になることはメモして持参する
授乳回数、泣き方、うんちの状態、睡眠リズムなど、小さなこともメモをしておくと安心。

2. 写真や動画をスマホに残しておく
普段の様子は健診では再現しづらいもの。動画があると診察が一段と正確になります。

3. 医師・保健師との会話を「育児時間」にする
育児の悩みはもちろん、予防接種の計画、生活リズム、保育園の相談まで幅広く話してOK。

👉 健診は“受けて終わり”ではなく、親子の育ちを支えるための時間。小さな悩みもぜひ持ってきてください。


まとめ

  • 乳幼児健診は「病気を探す場」ではなく、赤ちゃんの成長を見守る大切な支援。
  • 1か月〜3歳はすべて発達が大きく変わるkey monthとして重要。
  • 成長・発達の確認、病気の早期発見、育児相談が健診の3本柱。
  • 健診を最大限活用するには、メモ・動画・相談の3つがポイント。
  • 気になることがあれば、どんな小さなことでも気軽に医師や保健師に相談してOK。

👉 次回は、赤ちゃんとの生活が始まる「1か月健診」について、詳しく解説していきます。