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🔹 インフルエンザ流行の中で広がる“新しい検査法”
今年もインフルエンザの流行が続き、全国的に学級閉鎖や園の休園対応が増えています。
発熱したお子さんを迎えに行き、すぐに小児科を受診するご家庭も多いと思いますが、ここでよくあるのが――
「インフルエンザの検査をお願いしたけれど、発熱から時間が経っていないため検査できませんと言われた」
というケースです。
インフルエンザの従来の検査(鼻の奥に綿棒を入れる“鼻腔スワブ”検査)は、
- 痛みや不快感が強く、子どもが泣き叫んでしまうことが多い
- 発症から12時間以内ではウイルス量が少なく偽陰性になることがある
という欠点があります。
そのため、せっかく早めに受診しても「検査ができない」「陰性だけど実はインフルだった」ということが起こりやすいのです。
そんな中、最近注目を集めているのが、
**AIがのどの画像を解析して診断をサポートする「nodoca(ノドカ)」**という新しい検査法です。
鼻に綿棒を入れず、痛みが少なく、発症早期から判定できる――
まさに“子どもにやさしいインフル検査”として導入する医療機関が増えています。
🔹 nodocaとは?

nodoca(ノドカ)は、のどの奥(咽頭)を専用のカメラで撮影し、
その画像・体温・問診情報をAIが解析して、インフルエンザ感染の可能性を判定する新しい医療機器です。
- 2022年に日本で初めて厚生労働省から「新医療機器」として承認
- 保険適用で、一般的な検査と同程度の費用
- 痛みがほとんどなく、検査時間は十数秒程度
従来のように鼻の奥まで綿棒を入れる必要がないため、
「泣かずに受けられた」「子どもが怖がらなかった」といった声も多く聞かれます。
🔹 小児科医・パパの目線で見るnodocaのメリット
① 痛くない・怖くない
鼻の奥をぐりぐりする従来の検査は、診察室が泣き声でいっぱいになることもしばしば。
nodocaなら、のどを“撮るだけ”。
小学生以上のお子さんなら数秒で終わります。
② 発症直後でも検査が可能
インフルエンザの抗原検査は、発熱後12時間ほど経たないと陽性にならないことが多いですが、
nodocaは発症初期からでも一定の精度で判定可能。
「学校を早退してすぐに受診したのに検査できなかった」という悩みにも対応できます。
③ 検査結果が早い
撮影からAI解析までの時間は数十秒ほど。
結果はすぐに医師の画面上に表示されるため、迅速な診断・治療につながります。
④ 費用負担が大きく変わらない
保険診療の範囲内で行えるため、従来の検査と比べて費用差はほとんどありません。
👉「痛みが少なく、早めに結果がわかる」
お子さんだけでなく、親御さんの安心にもつながる新しい選択肢です。
🔹 注意点と知っておきたいこと
- 型(A型・B型)の区別はできません。
nodocaはインフルエンザの有無を判定する機器であり、型の特定は従来の検査が必要です。 - 対象は主に6歳以上。
しっかり口を開けて5秒ほど動かずにいられることが条件となるため、未就学児では難しい場合があります。 - すべてのクリニックで導入されているわけではありません。
まだ導入施設は限られています。事前にwebサイトなどで確認を。
👉 鼻の検査が苦手なお子さんには特におすすめですが、
すべてのケースでnodocaが使えるわけではない点を理解しておきましょう。
🔹 こんなときにおすすめ
- 鼻の検査を極端に嫌がる子ども
- 発熱から時間が経っていないけれど、インフルかどうか早く知りたいとき
- 家族内で感染が広がっていて、早期に確認したいケース
🔹 まとめ
- **nodoca(ノドカ)**は、AIがのどの画像を解析してインフルエンザ感染の可能性を判定する最新の検査機器。
- 鼻の奥に綿棒を入れず、痛みが少なく短時間で検査が可能。
- 発症初期にも有用で、保険適用のため費用負担もほとんど変わらない。
- 対象は主に小学生以上で、型判定は従来法で補う必要がある。
👉 検査が怖い・泣いてしまうお子さんにとって、
“痛くない検査”というだけでも大きな安心につながります。
インフルエンザが流行している今こそ、こうした選択肢があることを知っておくと安心です。

