はじめに
2026年6月から、予防接種手続きのデジタル化が始まります。
スマホで予診票を入力したり、接種履歴を確認したりできるようになると報じられ、ニュースで見て驚かれた親御さんも多いのではないでしょうか。
子どもの予防接種は種類も回数も多く、「管理が大変…」と感じることも少なくありません。
今回のデジタル化で何が変わるのか、小児科専門医の立場からわかりやすく解説します。
そもそも予防接種のデジタル化って何?
これまで予防接種を受ける際は、
自治体から紙の予診票が郵送され、
保護者が記入し、
医療機関へ持参する
という流れが一般的でした。
しかし2026年6月から、一部自治体で予防接種手続きのデジタル化が始まります。

将来的には、
・スマホで予診票入力
・接種履歴の確認
・接種時期の通知
・自治体との情報連携
などが可能になる予定です。
厚生労働省は、まず一部自治体から開始し、全国展開を目指しています。
親御さんにとっては、
「予防接種の管理をスマホで行えるようになる」
とイメージすると分かりやすいかもしれません。
👉 予防接種の手続きが“紙中心”から“スマホ中心”へ変わろうとしています。
接種忘れを防げるかもしれない
赤ちゃんの予防接種は本当に種類が多く、
・5種混合
・肺炎球菌
・B型肝炎
・ロタウイルス
・BCG
などが短期間に続きます。
さらに1歳になると、
・MRワクチン
・水痘
・おたふくかぜ(任意接種)
なども加わります。
兄弟がいるご家庭では、
「下の子の予防接種を忘れそうになった」
という経験がある方もいるのではないでしょうか。
厚生労働省の資料では、
接種時期の通知機能も想定されています。

スマホに通知が届けば、
「気づいたら接種期限が近かった」
という事態を減らせる可能性があります。
もちろん最終的な管理は保護者の役割ですが、サポートしてくれる仕組みが増えることは大きなメリットです。
👉 接種忘れを防ぐことは、子どもを感染症から守ることにつながります。
「何回目だっけ?」が分かりやすくなる
小児科外来では、
「肺炎球菌って何回目でしたっけ?」
「MRワクチンはもう打ちましたか?」
というやり取りがよくあります。
母子手帳を見れば確認できますが、
・手元にない
・兄弟分が混ざる
・引っ越しした
などで確認に時間がかかることもあります。
デジタル化によって接種履歴が確認しやすくなれば、
「何回目か分からない」
という不安が減るかもしれません。

接種回数や接種間隔の確認もしやすくなり、安全な接種にもつながります。
👉 接種履歴が見やすくなることで、保護者も医療者も安心できます。
実は医療現場にも大きなメリットがある
今回のデジタル化は、
親御さんが便利になるだけではありません。
医療機関にとっても大きなメリットがあります。
例えば、
・重複接種
・接種間隔の間違い
・接種履歴の確認漏れ
を防ぎやすくなることが期待されています。
また診察中に、
「MRワクチンを2回接種済み」
という情報がすぐ確認できれば、
「麻しん以外の病気を考えよう」
という診断の助けになることもあります。
接種歴は、単なる記録ではなく診療に役立つ大切な医療情報なのです。
👉 ワクチンの記録は、子どもの健康を守るための大切な医療情報です。
母子手帳はなくなるの?
ニュースを見て、
「そのうち母子手帳はいらなくなるの?」
と思った方もいるかもしれません。
しかし現時点では、
母子手帳の役割はまだ非常に大きいと考えられます。
母子手帳には、
・妊娠経過
・出生時情報
・乳幼児健診
・発育記録
・予防接種記録
などがまとめられています。
今回デジタル化されるのは主に予防接種関連の情報です。
そのため、
「母子手帳がなくなる」
というよりは、
「母子手帳を補助する便利な仕組みが増える」
と考えるのがよさそうです。
👉 デジタル化が進んでも、母子手帳はしばらく大切な存在です。
まとめ
・2026年6月から予防接種手続きのデジタル化が順次開始予定
・スマホで予診票入力や接種履歴確認ができるようになる
・接種忘れ防止や管理負担軽減が期待される
・重複接種や接種間隔ミス防止にも役立つ可能性がある
・医療現場でも診断や安全管理に活用できる
・母子手帳がなくなるわけではなく、今後もしばらく重要
👉 予防接種のデジタル化は、「親御さんの負担軽減」と「子どもの安全な予防接種」の両方を支える仕組みとして期待されています。

