その目のかゆみ、花粉が原因かも?― 子どもに多いアレルギー性結膜炎を小児科専門医が解説

その目のかゆみ、花粉が原因かも?― 子どもに多いアレルギー性結膜炎を小児科専門医が解説


はじめに

春や秋になると、
「目がかゆい」
「赤くなってゴロゴロする」
「何度も目をこすっている」

そんな様子が気になるお子さんはいませんか?

近年、子どものアレルギー性結膜炎は増えていると言われています。
外来でも、ここ数年「鼻水や咳はないのに、目だけがつらそう」という相談が目立つようになりました。

風邪かな?
結膜炎ってうつる病気?
そのうち治るかな?

そう思って様子を見ているうちに、なかなか良くならないことも少なくありません。
実はその症状、花粉が原因のアレルギー性結膜炎かもしれません。

花粉症というと「鼻水・くしゃみ」のイメージが強いですが、
子どもでは目の症状が前面に出ることもとても多いです。

この記事では、親御さんが知っておきたいポイントを中心に、
子どものアレルギー性結膜炎についてわかりやすく解説します。


季節性アレルギー性結膜炎とは?

季節性アレルギー性結膜炎は、
花粉が飛ぶ時期に起こる目のアレルギーです。

原因として多いのは、

  • スギ
  • ヒノキ
  • シラカンバ

などの花粉です。

花粉が目に入ることでアレルギー反応が起こり、次のような症状が現れます。

  • 目のかゆみ
  • 白目が赤くなる(充血)
  • ゴロゴロする感じ(目に何か入ったような違和感)
  • 目やにが出る
  • まぶたの裏にぶつぶつ(濾胞)が見られることもある

日本では、多くの人が一度は経験するといわれているとても身近な病気です。

👉 「よくある症状」でも、子どもにとってはつらいものです。


なぜ最近、子どもに増えているの?

「昔より増えた気がする」と感じている親御さんも多いと思います。
背景として、いくつかの要因が考えられています。

  • 花粉の飛散量が増えている
  • 黄砂やPM2.5など、大気中の刺激物が増えている
  • アレルギー体質の子どもが増えている

特に近年は、
花粉に黄砂やPM2.5が付着することで、目のアレルギー症状が強く出やすくなることも分かってきました。

「今年は目のかゆみがひどい」
「なかなか良くならない」

そんな年があるのも、環境の影響が関係している可能性があります。


強いかゆみがある場合は注意

アレルギー性結膜炎の中には、
春季カタルと呼ばれる、症状がとても強いタイプがあります。

この場合、

  • まぶたの裏がデコボコしてくる
  • 黒目に傷ができることがある
  • 激しい目のかゆみ
  • 見えにくさや視力の低下

といった症状が見られます。

学童期のお子さんに多く,
通常の花粉症よりも注意が必要です。

👉 「かゆい」だけでなく「見えにくい」があれば、早めに眼科へ相談を。


治療の基本は点眼薬です

アレルギー性結膜炎の治療の中心は、
抗アレルギー点眼薬です。

症状の程度によっては、
医師の判断でステロイド点眼薬を併用することもあります。

「点眼を続けて大丈夫?」と心配されることもありますが、
正しく使えば安全性の高い治療です。


症状が出る前に始める「初期療法」

毎年、同じ時期につらくなるお子さんでは、
初期療法という考え方があります。

初期療法とは?

花粉が飛び始める2週間ほど前から点眼を始める方法です。

これにより、

  • 症状が出始める時期を遅らせる
  • 目のかゆみを軽くする
  • つらい期間を短くする

といった効果が期待できます。

👉 「症状が出てから」より、「出る前」の対策がポイントです。


花粉の飛ぶ時期を知っておこう

原因となる花粉の飛散時期を知ることも、とても大切です。

  • スギ花粉:春が中心
     ※実は 10〜12月にも飛散 します
  • ヒノキ花粉:春
  • シラカンバ花粉:地域によって春〜初夏

特に覚えておきたいのが、
秋のスギ花粉が多い年は、翌年春の症状が強くなりやすいという点です。

👉 秋に症状があった子は、春に向けて早めの対策を。


おうちでできる対策もとても大切

薬だけでなく、日常生活の工夫も症状を和らげます。

  • 花粉が多い日は外出を控える
  • マスクや花粉用メガネを使う
  • 花粉の時期はコンタクトよりメガネ
  • 人工涙液で目を洗う
  • 花粉が付きやすい服を避ける
  • 帰宅後は洗顔・うがい・鼻をかむ
  • こまめな掃除で室内の花粉を減らす

👉 「点眼+生活対策」で、症状はかなり楽になります。


目がかゆくても、こすらないで

かゆいと、つい目をこすってしまいますよね。
でも、何度もこする・叩くのは避けてください。

目を強くこすり続けることで、
将来的に重い目の病気につながることもあります。

かゆいときは、
冷たい濡れタオルで目を冷やすのがおすすめです。

👉 「こすらない」が、いちばん大切なセルフケアです。


まとめ

  • 子どもの目のかゆみは花粉が原因のことが多い
  • アレルギー性結膜炎は近年増えている
  • 強い症状がある場合は注意が必要
  • 初期療法で症状を軽くできる
  • 花粉だけでなく、大気中の刺激物にも注意
  • 目はこすらないことがとても大切

👉 気になる症状があれば、早めに医療機関へ相談しましょう。