感染症が治ったあと、予防接種はいつ受けていいの?― 先行感染後のワクチン接種タイミングを小児科専門医が解説

感染症が治ったあと、予防接種はいつ受けていいの?― 先行感染後のワクチン接種タイミングを小児科専門医が解説

2026/01/25(日)

はじめに

「熱が下がってまだ数日だけど、本当に大丈夫?」
「念のため、もう少し待ったほうがいい?」

感染症のあとに予防接種を控えていると、
こうした不安を感じる親御さんはとても多いです。

特に乳児期は、
予防接種の予定が立て込んでいるため、
一度延期すると、その後のスケジュールが崩れやすいのも悩みどころです。

一方で、
「早く打ちすぎて体に負担がかからないか」
と心配になるのも自然な気持ちです。

この記事では、
先行感染のあと、
予防接種をいつ受けてよいのか・どんな場合に待ったほうがよいのかを、
親御さん目線で分かりやすく整理します。

👉 この記事を読んだ後、判断の軸が分かるようになります。


そもそも、感染症のあとに予防接種は打っていいの?

結論から言うと、
多くの場合、感染症が治っていれば予防接種は受けられます

「病気のあと=しばらく打てない」
という印象を持たれがちですが、
必要以上に長く待つ必要がないケースも多いのが実際です。

大切なのは、

  • 今、元気かどうか
  • 発熱や全身症状が落ち着いているか

という接種当日の体調です。

👉 過去の病気より「今の状態」が大切です。


「治った」と考えてよい目安

親御さんが一番迷うのが、
「どこまで回復していれば大丈夫なのか」という点です。

一般的には、

  • 解熱している
  • 元気があり、ぐったりしていない
  • 食事や水分がある程度とれている
  • 普段に近い様子で過ごせている

このような状態であれば、
予防接種を検討できることが多いです。

鼻水や軽い咳、
回復途中の下痢が少し残っている程度であれば、
接種の妨げにならないことも少なくありません。

👉 症状が完全になくなるのを待つ必要はありません。


発熱があった場合、「何日あけるか」は決まっている?

「熱が出たあと、何日あければいいですか?」
これは外来でとても多い質問です。

実際には、
「◯日あける」という決まった日数はありません

判断のポイントは、

  • 解熱している
  • 元気が戻っている

この2点です。

解熱後に体調が回復していれば、
数日以内に予防接種を受けられることも珍しくありません。

👉 日数ではなく、回復具合を見ます。


感染症の種類による考え方の違い

感染症の内容によって、
考え方が少し変わることがあります。

かぜ・軽い上気道炎

  • 発熱がなく
  • 全身状態が良好

であれば、
治ったと判断でき次第、接種可能なことが多いです。

👉 軽いかぜのあとに長期間待つ必要はありません。


胃腸炎(嘔吐・下痢)

  • 嘔吐が落ち着いている
  • 水分や食事がとれている

状態であれば、
下痢が少し残っていても接種できることがあります。

👉 「完全に治るまで待つ」必要はない場合も多いです。


高熱を伴う感染症(インフルエンザなど)

  • 解熱し
  • 元気が戻っていれば

特別に長い間隔をあける必要はないことが多いです。

ただし、
回復が不十分な場合は、
体調を優先して延期します。

👉 回復期に入っているかが目安です。


麻疹・風疹・水痘など一部の感染症

これらの場合は、
体の免疫反応が落ち着くのを待つという考え方から、
治ってから一定期間あけて接種を考えることがあります。

目安としては、
治癒後おおむね4週間程度です。

👉 すべての感染症に当てはまるわけではありません。


どんなときは延期したほうがいい?

次のような場合は、
無理に予防接種をせず、体調回復を優先します。

  • 発熱が続いている
  • 明らかに元気がない
  • 食事や水分がほとんどとれていない
  • 症状が悪化している途中
  • 呼吸が苦しそう

これは、
副反応と病気の症状を区別しにくくなるためです。

👉 延期は安全のための判断です。


延期しすぎにも注意

心配で何度も延期していると、

  • 接種予定がずれて管理が大変になる
  • 予定していた同時接種が難しくなる
  • 感染症にかかるリスクの期間が延びる

といった影響が出ることもあります。

予防接種は、
受けられる状態になったら、なるべく早めに再開する
という考え方が基本です。

👉 延期は「必要な分だけ」で十分です。


迷ったときの一番安心な行動

少しでも迷ったら、
接種予定の医療機関に相談して大丈夫です。

  • この症状で行っていい?
  • 今日は見送ったほうがいい?

こうした相談は日常的で、
遠慮する必要はありません。

👉 相談すること自体が正しい選択です。


まとめ

  • 感染症のあとでも、元気なら予防接種できることが多い
  • 「何日あけるか」より「今の体調」が大切
  • 軽いかぜ・胃腸炎のあとに長期間待つ必要はない場合が多い
  • 一部の感染症では数週間あける目安がある
  • 迷ったら医療機関に相談してよい