はじめに
食後すぐではなく、1〜数時間たってから始まる激しい嘔吐。
しかも、じんましんや呼吸の症状はありません。
一見すると「胃腸炎かな?」と思われがちですが、
同じ食べ物で何度も繰り返す場合、
FPIES(食物蛋白誘発胃腸炎) という病気が隠れていることがあります。
FPIESは、まだあまり知られていない食物アレルギーの一つです。
この記事では、親御さんが見逃さないために知っておきたいポイントを中心に解説します。
👉 「食後すぐじゃない嘔吐」には、別の理由があることがあります。
FPIESとは?
FPIESは
Food Protein-Induced Enterocolitis Syndrome の略で、
日本語では 食物蛋白誘発胃腸炎 と呼ばれます。
特徴は、
- 主に 乳児期 に発症
- 原因となる食物を食べて 1〜4時間後 に症状が出る
- 嘔吐・下痢・元気がなくなる など、消化器症状が中心
- じんましん・咳・ゼーゼーは出ない ことが多い
という点です。
つまり、
「いわゆるアレルギーらしくない」
→ だからこそ 気づかれにくい のがFPIESです。
👉 “アレルギーっぽくないアレルギー”が存在します。
どんな食べ物で起こるの?
FPIESの原因として多い食材は、次のようなものです。
- ミルク(牛乳)
- 大豆
- 米・オートミールなどの穀類
- 卵黄(近年、報告が増えています)
特に、
- 離乳食を始めた時期
- 食材の種類が増えたタイミング
で症状が目立つことがあります。
👉 「新しく始めた食材」は、症状との関連をチェックしましょう。
症状の出かた|急性型と慢性型
FPIESには、大きく分けて 2つのタイプ があります。
急性FPIES
- 原因食物を食べて 1〜4時間後に突然の嘔吐
- 何度も吐いて ぐったりする
- 食物を除去すると、以後は症状が出ない
慢性FPIES
- 原因食物を 毎日食べ続けることで
- 嘔吐・下痢・体重増加不良が続く
- 食物を除去すると 数日〜1週間で改善
慢性型は「なんとなく調子が悪い」状態が続くため、
見逃されやすいのが特徴です。
👉 激しく吐くタイプだけがFPIESではありません。
検査で分からない?
FPIESは、
- 血液検査
- 一般的なアレルギー検査(IgE)
では 異常が出ないことが多い 病気です。
そのため診断では、
- 何を食べたか
- どのくらい食べたか
- 何時間後に
- どんな症状が出たか
といった 詳しい経過(病歴) がとても重要になります。
「いつ・何を食べたか」を記録しておくと、
診断の大きな手がかりになります。
👉 FPIES診断のカギは“検査”より“経過”です。
治療の基本
FPIESの治療の基本は、
原因となる食物を特定し、必要な範囲で除去すること
です。
ただし、
- 自己判断で多くの食材を除去しすぎない
- 栄養が偏らないようにする
ことも非常に大切です。
再開(負荷)するときは、
- 医師と相談しながら
- ごく少量から
- 慎重に
進めていきます。
👉 「除去しすぎないこと」も治療の一部です。
将来はどうなる?
FPIESは、
- 成長とともに食べられるようになることが多い
とされている病気です。
多くの子どもでは、
- 幼児期〜学童期にかけて
- 徐々に耐性がついていきます
「ずっと続くアレルギーではないことが多い」
という点は、親御さんにぜひ知っておいてほしいポイントです。
👉 将来を見据えて、落ち着いて向き合える病気です。
まとめ
- FPIESは 嘔吐が中心の食物アレルギー
- 食後すぐではなく 数時間後の症状 が特徴
- 血液検査では分かりにくい
- 適切な対応で 多くは改善する
「普通の食物アレルギーと違うタイプがある」
それを知っているだけで、受診や相談がスムーズになります。
👉 “知っているかどうか”が、子どもを守る第一歩です。

