赤ちゃんを抱っこしながら、ついスマホを見てしまうことってありますよね。
SNSの通知、仕事のメッセージ、買い物、調べ物……。
今や育児中の親にとってスマホは欠かせない道具です。
でも実は、赤ちゃんは“親がスマホに集中する時間”を意外と敏感に感じ取っていることが、最新の研究で分かってきました。
今回は、SNSでも少し話題となった乳児研究の専門誌 Infancy に掲載された論文
「Infants’ response to a mobile phone modified still-face paradigm」
という研究を、親御さん向けに分かりやすく紹介します。
目次
👶 赤ちゃんは「親が見てくれない瞬間」にとても敏感
赤ちゃんって、親の表情や声にとてもよく反応します。
- 笑いかけると笑う
- 声をかけると振り向く
- 親の顔をじっと観察する
これは赤ちゃんが「安心をくれる相手」を求めているからです。
そんな中で、親が突然スマホに集中して“無反応”になると、赤ちゃんにとってはとても不思議で、ちょっと怖い時間になります。
📱研究でわかったこと
研究では、母親が赤ちゃんと遊んでいる途中でスマホに集中する時間を作りました。
すると赤ちゃんには次のような変化が見られました。
❗ 赤ちゃんの主な反応
● 不安そうな表情が増える
● 笑顔が減る
● 指しゃぶりなど「自分を落ち着かせる行動」が増える
● 目をそらしたり、周りの物に注意が行きやすくなる
● 泣き出したり、怒ることもある
これらは赤ちゃんがストレスを感じた時に見られる典型的な反応です。
つまり、
親がスマホに集中している時間=赤ちゃんにとっては“急に親がいなくなるような感覚”
ということなんです。
🍼 月齢が上がるほど影響が大きい?
研究では、9か月以上の赤ちゃんは特に強く反応しました。
この頃の赤ちゃんは「親の反応が返ってくる」という経験が増え、
“ふだんと違う反応”により敏感になります。
そのため、
親がスマホに集中 → 無反応になる
という状態がよりストレスとして伝わりやすいのです。
👩👦 日常的にスマホの中断が多い家庭ほど影響が大きい可能性
研究では、親が
「育児中にスマホで気が散ることが多い」と感じている家庭では、
赤ちゃんの反応もよりネガティブになりやすい傾向がありました。
つまり、
“ちょっとした積み重ね”が赤ちゃんの情緒の安定に影響する可能性があります。
💡 じゃあどうすればいいの?スマホは悪者なの?
もちろん、親もスマホを使う時間が必要です。
息抜きしたい、調べ物をしたい、仕事の返信をしたい。
それは当然のことです。
大切なのは、
赤ちゃんが特に安心を求めている時間だけ、少しスマホを意識してあげること。
例えば…
- 授乳中
- あやしている時間
- 寝かしつけの時
- グズって親を求めている時
こういう時間帯だけでも“スマホを置く習慣”ができると、
赤ちゃんにとってはとても安心しやすい環境になります。
完璧じゃなくていいんです。
「ちょっと気をつけてみようかな」 その気持ちだけで十分です。
📝 まとめ
- 親がスマホに集中して無反応になると、赤ちゃんは強いストレスを感じる
- 不安・泣く・目をそらす・指しゃぶりなどの反応が増える
- 9か月以降の赤ちゃんは特に敏感
- 日常的なスマホ中断が多い家庭では、赤ちゃんの反応がより強い傾向
- 授乳・あやし・寝かしつけの時間だけでもスマホを控えると赤ちゃんは安心しやすい
- 完璧でなくてOK。「ちょっと意識する」だけで育児はもっと楽になる
👉 さいごに
スマホは育児の敵ではありません。でも、赤ちゃんの前で“ほんの少しの意識”を持つと、情緒の安定は大きく変わります。
赤ちゃんが安心できる時間を、スマホに邪魔されない形で守ってあげましょう。

