健診や昔ながらの産院で、
「体重が増えすぎだからミルク減らしましょう」
と言われたという相談をいまだによく聞きます。
でもこれ、
いまの医学では“間違い”です。
赤ちゃんが欲しがるのにはちゃんと理由があります。
そして最近、赤ちゃん期の体重の増え方と将来の体型を調べた、
日本の研究が発表されたのでご紹介します。
目次
📝 研究の概要
研究名:
Association between women’s weight gain during infancy and being overweight or underweight in adulthood
(2025年・日本の研究)
掲載誌:
Journal of Developmental Origins of Health and Disease
(DOHaD:赤ちゃん期と将来の健康を研究する国際誌)
対象: 約800名の女性
(母子手帳の乳児期体重データを使用)
目的:
生後1〜6か月の体重増加と、大人になってからの体型(やせ/ふつう/太め)が関係するか調べた。
✔ 結果:① 赤ちゃん期の体重増加は、将来の“太りやすさ”とは関係しなかった。
多くの親御さんが“ぽっちゃり=将来肥満”をイメージしますが、今回の研究では、
0〜6か月でよく体重が増えた子と、大人になっても太りやすくなる事に相関はない。
という結果でした。
② むしろ“痩せすぎ”のリスクを下げる可能性
近年の日本では、特に若い女性に「痩せすぎ」が多く、健康問題として指摘されています。
赤ちゃん期の十分な栄養が、将来の健康的な体づくりの土台になっているとも言えます。
👉 「ぽっちゃり赤ちゃん=将来肥満」は、科学的に正しくない考えです。
💡 この研究が教えてくれること
① ミルクを“減らす指導”に根拠はない
「増えすぎだからミルク減らして」
という昔ながらの指導は、最新の医学では推奨されません。
赤ちゃんは今、ものすごい勢いで成長している時期。
栄養をあえて減らす必要はありません。
👉 赤ちゃんが飲みたがるのは“必要だから”。止めてしまう必要はありません。
② 赤ちゃんは必要な量を自分で決めることができる。
赤ちゃんは満腹になれば自然と飲むのをやめます。
大人が無理に調整しようとすると、かえってストレスや栄養不足の原因に。
👉 赤ちゃんは“食べすぎる”より“足りなさ”の方がリスクになります。
③ しっかり栄養があった子ほど、健康的な体型につながりやすい
DOHaDという考え方でも、
赤ちゃん期の栄養が将来の健康に影響しうることが分かっています。
この時期の栄養は、まさに体の土台作り。
不足させるより、自然に任せる方が健康的です。
👉 赤ちゃん期の栄養は、“将来の体と心への投資”です。
じゃあ“増えすぎの心配”はしなくていい?
もちろん、
・成長曲線から大きく外れる
・あまりに急激すぎる体重増加
など、個別にチェックが必要なケースもあります。
でもその前にまず、
- よく飲む
- よく寝る
- ぽっちゃりしている
これは 健康でよく育っている証拠 であることが多いです。
👉 心配な時は“制限”ではなく、まず成長曲線と小児科で確認すれば安心です。
まとめ:赤ちゃんのミルクは“欲しがるだけ”でOKです
- 赤ちゃん期の体重増加は自然で大切
- 栄養を制限する根拠はない
- しっかり飲んだ子ほど、大人の痩せすぎを防ぎやすい
- 将来の肥満リスクとは関係しない
- 不安な時は小児科で相談すればOK
👉 “ぽっちゃり赤ちゃん”は健康の証。自信を持って!

