👶はじめに
授乳のあと、「げっぷを出さないといけない」と焦ってしまう親御さんは多いかもしれません。
でも、実際には“出ない=悪いこと”ではありません。
赤ちゃんのげっぷは、飲んだミルクと一緒に入りこんだ空気を外に出す自然な反応です。
体のつくりや飲み方のクセによって個人差が大きく、出にくい子もいれば、自然に出る子もいます。
👉 出ないときこそ落ち着いて。「見守るケア」も立派なサポートです。
🍼なぜげっぷが必要なの?
赤ちゃんは哺乳時に空気を飲み込みやすい構造になっています。
これは口まわりの筋肉がまだ未熟で、空気とミルクを同時に飲み込んでしまうため。
胃の中に空気がたまると、お腹が張ったり、ミルクを吐き戻したりしやすくなります。
げっぷをすることで
- 胃の中の空気を抜いて、吐き戻しを防ぐ
- お腹の張りや不快感を軽減
- 眠りを助ける(スッキリして落ち着く)
といった効果があります。
👉 「げっぷ=胃の空気抜き」だけでなく、気持ちを整えるリセットの役割も。
💨げっぷが出ないときの工夫
出にくいときは、姿勢やタイミングを変えてあげましょう。
💺姿勢のコツ
1️⃣ 肩にもたせかけて縦抱きし、背中をやさしくさする
2️⃣ 膝の上に座らせて、少し前かがみに支える
3️⃣ 横抱きにして軽く背中をトントン

力強く叩く必要はありません。
優しく背中をなでるくらいで、自然に空気は上がってきます。
👉 トントンより“ナデナデ”。赤ちゃんのリズムに合わせて。
🕐タイミングのコツ
- 授乳の途中で一度げっぷをさせると、残りを飲みやすくなります。
- 授乳後すぐ寝かせるより、10分ほど縦抱きで過ごすのが◎。
👉 「飲みきる前に一息」で、結果的に吐き戻しが減る子も多いです。
🍃げっぷが出なくても大丈夫?
結論から言えば、げっぷが出なくても元気なら問題ありません。
空気は上(げっぷ)から出なくても、下(おなら)から抜けることがあります。
胃から腸に空気が流れていき、おならとして排出されるため、
- お腹が張っていない
- おならがしっかり出ている
- 機嫌・哺乳・体重に問題がない
このような状態であれば、げっぷが出なくても心配いりません。
👉 「げっぷが出ない=空気が残っている」ではなく、「おならで抜けている」ことも多いです。
⚠️注意したいサイン
げっぷが出ないことよりも、その後の様子が大切です。
次のようなサインがある場合は、消化管の異常などが隠れていることもあります。
- 吐いたものが緑色や噴水状(腸閉塞・幽門狭窄症など)
- 吐いたあとぐったりしている、呼吸が早い、顔色が悪い
- 吐物に血が混じる(ビタミンK欠乏や胃粘膜出血など)
- 頻回の嘔吐+体重増加不良
このような場合は、迷わず医療機関へ相談を。
過去の記事「赤ちゃんが吐いた! ― 注意が必要なサインを小児科専門医が解説します」でもご説明したとおり、
緑の嘔吐・噴水状の嘔吐は緊急対応が必要です。
👉 「吐いた色」「量」「回数」をメモして伝えると、診察がスムーズです。
👣まとめ
- げっぷは「お腹の空気を逃がすケア」
- 出なくても、おならで空気が抜けていればOK
- 強く叩かず、優しくさするのがポイント
- 緑色・噴水状・血混じりの嘔吐は要受診
- お腹が張っていない&機嫌が良ければ、見守って大丈夫
👉 「出すこと」より「様子を見ること」。
げっぷは“スキンシップの時間”と考えてあげましょう。

