就学前健診(5歳健診) ― 発達・視力・生活習慣を総点検する大切な節目

就学前健診(5歳健診) ― 発達・視力・生活習慣を総点検する大切な節目

入学を控える時期に行われる 就学前健診(5歳健診) は、乳幼児健診の集大成ともいえる大切な節目です。
体の健康面だけでなく、集団生活に向けた 心の準備・社会性・生活習慣 を確認し、小学校生活をスムーズにスタートできるように支える目的があります。

幼児期の最終チェックなので、これまで気づかなかった課題が見つかることもあります。
親御さんが知っておくと安心できるポイントを、小児科専門医の視点からわかりやすくまとめます。


就学前健診(5歳健診)で見る項目

① 身体測定(身長・体重・視力・聴力)

5歳は成長が安定してくる時期ですが、視力・聴力の問題は見逃しやすいため重要なチェックとなります。

  • 身長・体重の成長曲線の確認
  • 視力検査(片眼ずつの検査が可能な年齢)
  • 聴力検査(集団生活では聞こえの問題が大きく影響)
  • 斜視・弱視の確認

👉 視力や聴力は学校生活の“土台”になります。気になることは必ず相談を。


② 内科診察(慢性疾患、アレルギー、心疾患など)

小学校に上がると生活の幅が一気に広がるため、持病への対応が変わることがあります。

  • 心臓の雑音や不整脈の確認
  • 喘息の程度(運動制限の有無)
  • アレルギー性鼻炎・アトピーのコントロール
  • 食物アレルギーがある場合の対応

👉 学校生活で困らないよう、持病がある場合は“学校での配慮”についても相談しておくのがおすすめ。


③ 発達・行動の評価(ことば・運動・社会性)

就学前健診では、発達のチェックがとても重要になります。
小学校という 集団生活のステージ に進むため、必要な力が育っているかを確認します。

  • 受け答えがスムーズか
  • ことばの理解・発音の問題
  • 集団での指示理解
  • 走る・跳ぶ・片足立ちなどの運動機能
  • 落ち着きの有無、注意が続くか
  • 友だちとの関わり方

👉 発達の課題が見つかった場合、早期にサポートにつながる大切な機会になります。


④ 生活習慣(食事・睡眠・排泄・手洗いなど)

学校生活は「自分のことを自分でやる力」が求められます。
就学前健診では次のような生活スキルも確認されます。

  • 朝起きて夜ぐっすり眠れているか
  • 箸の使い方、偏食の有無
  • トイレは自立しているか
  • 着替えや靴の着脱
  • 手洗い・うがいが習慣化しているか

👉 今の生活習慣がそのまま“学校生活のしやすさ”に直結します。


⑤ 心の発達・性格・不安の有無

5歳は感情が豊かになり、心の発達の差が目立つ時期でもあります。

  • 不安が強い
  • 初めての場所が苦手
  • 他のお子さんと遊べない
  • ごっこ遊びができるか
  • 保護者の指示を理解できるか

もし気になる点があっても、学校側と事前に共有できる絶好のタイミングです。

👉 “心のつまずき”は早く気づくほど対応しやすくなります。


おうちでできる就学前準備のポイント

  • 朝決まった時間に起きる練習
  • ランドセルを背負う練習(体力づくり)
  • ハンカチ・ティッシュを自分で管理
  • 自分の名前を言える・書ける
  • 集団でのルール(順番、待つ、貸し借り)

👉 小学校生活は“できることを少しずつ増やす”ことでスムーズにスタートできます。


まとめ

  • 就学前健診(5歳健診)は、小学校入学前の最終チェック
  • 視力・聴力・内科・アレルギーなど体の健康を総合的に確認
  • ことば・行動・社会性の発達評価が重要
  • 生活習慣が学校生活に適しているかチェック
  • 何か気になることがあれば、学校や医療につなぐ大切なタイミング

👉 就学前健診は、これから始まる小学校生活を安心して迎えるための大切なステップです。健診を通して、お子さんの“いま”をしっかり確認しながら、親子で一歩ずつ小学校の準備を進めていきましょう。