小児科専門医とは?―一般小児科医との違いを現役小児科専門医がわかりやすく解説

小児科専門医とは?―一般小児科医との違いを現役小児科専門医がわかりやすく解説

はじめに

このブログではこれまで、
「小児科専門医が解説」「小児科専門医がおすすめする…」という形で、
子どもの健康や育児に関する情報を発信してきました。

でも、そもそも「小児科専門医ってどんな医師なの?」
と思われた方もいるかもしれません。

実は「小児科」と名前がついているからといって、
すべての小児科医が“日本小児科学会認定の専門医”というわけではありません。

今回は、同じ小児科専門医としての立場から
その違いと意義について、できるだけわかりやすくお伝えします。


🩺 小児科専門医とは

小児科専門医とは、日本小児科学会が認定する正式な資格をもつ小児科医のことです。

私たちは医師免許取得後、
少なくとも3年間の小児科専攻医研修を受け、
新生児から思春期まで幅広い症例を経験します。

さらに、

  • 学会が定める筆記試験・口頭試験・面接試験をすべて通過すること
  • 症例報告や研究発表などの実績を積むこと
    が求められます。

つまり小児科専門医は、
**「子どもの病気を診るだけでなく、成長・発達・家族全体を見守る医師」**です。


🏥 一般小児科医との違い

クリニックや病院で「小児科」と掲げていても、
その医師が必ずしも“小児科専門医”とは限りません。

中には、

  • もともと内科や耳鼻科の専門医で、子どもも一緒に診ている
  • 昔は小児科研修を受けていたが、資格更新をしていない
    という先生もいらっしゃいます。

もちろん、それ自体が悪いことではありません。
ですが、小児科専門医は学会が定めた厳格な基準を満たしており、
**「子どもの医療に特化したトレーニングを継続的に受けている」**点が大きな違いです。

そしてもう一つ大切なのが――
資格を取得して終わりではないということ。

私たち小児科専門医は、
資格を維持するために毎年、決められた数の学会や講習会に参加することが義務付けられています
最新の感染症対策、ワクチン、発達支援など、
日々進化する小児医療の知識をアップデートし続けています。

👉 “学び続けること”が、子どもたちを安全に守る一番の武器だと感じています。


🔍 うちの先生は専門医?の調べ方

ここまで読んでくださった方の中には、
「うちの子のかかりつけの先生は小児科専門医なのかしら?」
と気になった方もいるのではないでしょうか?

そんなときは、日本小児科学会の公式サイトで確認ができます。

日本小児科学会 専門医名簿検索

先生のお名前や地域を入力するだけで、
その医師が小児科専門医かどうかがすぐに分かります。

👉 かかりつけの先生を調べてみることで、
 より安心して相談できる関係づくりにつながるかもしれません。


🌈 小児科専門医として大切にしていること

私たち小児科専門医が日々感じているのは、
子どもの診療は「医学」と「生活支援」の両輪で成り立っているということです。

熱や咳などの症状を診るだけでなく、
睡眠・食事・発達・家族関係など、生活全体を見ながら支える必要があります。

そして何より、子ども本人だけでなく、
「心配している親御さんの気持ち」も診療の一部です。

👉 子どもと家族、両方の“笑顔”を守るのが小児科専門医の使命です。


🧭まとめ

  • 小児科専門医は、日本小児科学会が認定する“子どもの専門家”
  • 医師免許取得後の研修・試験・資格更新を通じて、常に学び続けている
  • 一般小児科医との違いは、「継続的な研修と専門性の深さ」
  • 日本小児科学会HPで、かかりつけ医が専門医か確認できる
  • 子どもの病気だけでなく、成長や家族を支える姿勢が特徴

👉 私たち小児科専門医は、日々の診療を通して、
 子どもたちの「いま」と「これから」を支えています。