目次
はじめに
卵は、子どもの食事にとても身近な食材です。
だからこそ、「卵アレルギー」と聞いたとき、親御さんの不安はとても大きくなります。
「もう卵は食べさせられないのかな」
「離乳食、どう進めればいいんだろう」
でも、鶏卵アレルギーは
成長とともに変化しやすく、対応の幅も広いアレルギーです。
卵白と卵黄、それぞれの特徴を知ることで、
“できること”が見えてくる場合も少なくありません。
👉 正しく知ることが、必要以上に怖がらない第一歩になります。
鶏卵アレルギーとは?
一般に「卵アレルギー」と呼ばれていますが、医療的には鶏卵(にわとりの卵)による食物アレルギーを指します。
魚卵などとは原因が異なるため、区別して考える必要があります。
鶏卵アレルギーは、日本の子どもで最も頻度の高い食物アレルギーです。
特に乳児期に多く、年齢が上がるにつれて食べられるようになるお子さんも多い、という特徴があります。
👉 「今がピーク」というケースも少なくありません。
典型的な鶏卵アレルギー(卵白で起こるタイプ)
いわゆる一般的な鶏卵アレルギーでは、
- 卵を食べて30分〜2時間以内
- じんましん、皮膚の赤み、かゆみ
といった症状がみられます。多くは数時間以内におさまります。
原因となるのは主に卵白のたんぱく質で、
卵白は症状が出るけれど、卵黄は食べられる、というお子さんも珍しくありません。
👉 ここから「卵黄は安全」というイメージが広がってきました。
加熱すると食べられることもある
鶏卵アレルギーの大きな特徴として、加熱によってアレルギー反応が起こりにくくなることがあります。
特に「十分に加熱されているかどうか」が重要です。
そのため、
- 固ゆで卵
- しっかり焼いた卵料理
は食べられても、
- 生卵
- 半熟卵
では症状が出る、ということがあります。
👉 「卵がダメ」ではなく「どの状態の卵か」を考えることが大切です。
卵黄でも起こる「消化管アレルギー」
近年、特に注意が必要なのが卵黄による消化管アレルギーです。
日本では、離乳食期に
卵黄を食べたあと、1〜4時間ほどして繰り返し嘔吐する乳児が多く報告されています。
このタイプでは、
- 皮膚症状が出ない
- 血液検査でも異常が出ない
ことが多く、「アレルギーではない」と見逃されてしまうこともあります。
👉 時間がたってから吐く場合は、消化管アレルギーを疑います。
なぜ卵黄で吐いてしまうの?
これまで、
「卵のアレルギーは卵白」
「卵黄は安全」
と説明されることが多くありました。
そのため、
- ゆで卵を作って
- 卵黄だけを取り出し
- 問題なさそうなので量を増やす
という流れになりがちです。
しかし実際には、
卵黄を1/2個〜1個と一度に食べたあと、激しく嘔吐するケースが多く報告されています。
乳児にとって卵黄1個は、 大人が一度に卵を10個食べるほどの負荷に相当する可能性も指摘されています。
👉 「卵黄=安全」と量を急に増やすのは注意が必要です。
卵黄消化管アレルギーの対応
卵黄による消化管アレルギーが疑われる場合、
- ごく少量でも嘔吐する
- 何度食べても同じ症状を繰り返す
という状態になることがあります。
この場合は、数か月間は卵黄を完全に避けて様子を見る必要が出てくることもあります。
一方で、
- 卵白は問題なく食べられる
というケースもあり、卵白と卵黄は別々に評価することが重要です。
👉 卵は「一括り」にせず、分けて考えます。
これからの鶏卵アレルギーの考え方
以前は、鶏卵アレルギーがあれば完全除去が基本でした。
しかし現在は、
- 食歴
- 症状の出方
- 必要に応じて食物経口負荷試験
などをもとに、
どこまでなら安全に食べられるかを見極める
という考え方が主流になってきています。
特に離乳食期は、
- 量の増やし方
- 子どもの発達段階
に合わせて、無理なく進めることが大切です。
👉 「早く慣らす」より「安全に続ける」が基本です。
まとめ
- 鶏卵アレルギーは子どもで最も多い食物アレルギー
- 卵白だけでなく、卵黄でも消化管アレルギーが起こる
- 嘔吐が遅れて出る場合は要注意
- 「卵黄は安全」という思い込みは見直されている
- 子どもの成長に合わせた対応が大切
卵は身近な食材だからこそ、正しい知識が親御さんの安心につながります。
👉 不安なときは、自己判断せず主治医に相談してください。

