子どもの近視はなぜ増えてる?― スマホ時代に知っておきたい目の守り方を小児科専門医が解説

子どもの近視はなぜ増えてる?― スマホ時代に知っておきたい目の守り方を小児科専門医が解説

2025/12/27(土)

ここ数年、子どもの近視は世界的に急増しています。
その背景には、スマートフォンやタブレットの普及、学習環境の変化、外遊びの減少など、子どもを取り巻く生活環境の大きな変化があります。

近視は「成長すれば治るもの」ではありません。
特に小児期に進行した近視は、その後の人生にも影響する可能性があります。

この記事では、
なぜ近視が増えているのか
家庭でできる現実的な対策は何か
を、親御さん目線で分かりやすく解説します。

👉 まずは「近視がどんな状態か」を知ることが第一歩です。


そもそも近視とはどんな状態?

近視とは、目に入った光のピントが網膜より手前で合ってしまう状態です。
そのため、遠くのものがぼやけて見えます。

子どもの近視の多くは、
**目の奥行き(眼軸)が伸びてしまう「軸性近視」**と呼ばれるタイプです。

小児期は体だけでなく目も成長する時期。
この時期に眼軸が伸びすぎると、近視は進みやすくなります。

👉 小児期の近視は「進みやすい」ことが最大の特徴です。


小児期の近視が問題になる理由

近視が強くなると、将来、

  • 緑内障
  • 網膜剥離
  • 黄斑のトラブル

などのリスクが高まることが分かっています。

特に**−6.00D以上の強い近視**になると、その危険性はさらに上がります。

つまり大切なのは、
👉 **「見えなくなってから対応」ではなく、「進ませない工夫」**です。


親が近視だと、子どもも近視になりやすい?

これは多くの研究で確認されています。

  • 片親が近視 → 子どもの近視リスクは約2〜4倍
  • 両親ともに強い近視 → 約10倍以上

さらに、近視をまだ発症していない乳幼児でも、
親が近視の場合、すでに近視寄りの目の状態になっていることが分かっています。

ただし重要なのは、遺伝があっても、生活習慣でリスクは下げられるという点です。


近視を進めやすい生活習慣

①近くを見る時間が長すぎる

本を読む、字を書く、タブレットで学習するなど、
**近い距離で目を使う作業(近業作業)**が長時間続くと、近視は進みやすくなります。

特に注意したいのは、

  • 目と本・画面の距離が30cm未満
  • 30分以上、休憩なしで続ける

この状態が続くと、近視のリスクは約1.5〜2.5倍に上がるとされています。

👉 「距離」と「休憩」が近視予防の基本です。


②スマホ・タブレットの使い方

デジタル機器そのものが悪いわけではありません。
問題になるのは、使い方です。

特にスマートフォンは、

  • 画面が小さい
  • 無意識に顔が近づく

という特徴があり、
テレビやプロジェクターよりも近視が進みやすいことが分かっています。

👉 スマホは「時間」と「距離」を意識することが大切です。


③外遊びの時間が少ない

実は、近視予防で最も効果が高いとされているのが屋外活動です。

屋外で太陽の光を浴びることで、

  • 眼軸の伸びを抑える
  • 近視の進行を防ぐ

といった効果が期待できます。

研究では、

  • 週11時間以上の屋外活動で近視進行が約半分
  • 学校で1日40分の屋外活動追加で近視の発症率が低下

することが示されています。

👉 外遊びは「最強の近視予防」です。


今日からできる家庭での目の守り方

①近くを見るときの基本ルール

  • 目と本・画面は30cm以上離す
  • 30分ごとに休憩
  • 休憩中は遠くを見る

👉 簡単な習慣が近視の進行を抑えます。


②スマホ・タブレットとの付き合い方

  • 学習目的を優先する
  • 使用時間を決める
  • 寝る前の使用は控える

👉 「禁止」より「ルール作り」が大切です。


③外遊びを生活に組み込む

  • 毎日少しでも外に出る
  • 帽子やサングラスで日焼け対策してOK

👉 日焼け対策をしても近視予防効果は得られます。


学校の視力検査で「B判定」と言われたら

B判定(0.7〜0.9)は、
日常生活に大きな支障が出ないことも多い一方で、

  • 黒板が見えにくい
  • 目を細める
  • 両目で視力差がある

こうした場合は、眼科での詳しい検査がおすすめです。

👉 早めの確認が、将来の視力を守ります。


まとめ

  • 子どもの近視は生活環境の影響が大きい
  • 遺伝があっても、進行はコントロールできる
  • 外遊び・休憩・スマホの使い方がカギ

👉 スマホ時代だからこそ、「上手な付き合い方」で子どもの目を守りましょう。