目次
- はじめに ― 子どもは「探索の天才」。
- ①「誤飲したかも!」と思った瞬間にやるべきこと
- ステップ0:まずは安全確保
- ステップ1:子どもの状態を落ち着いて確認
- ステップ2:専門機関へすぐ相談する
- ② 家庭でできる応急処置(意識がはっきりしている場合のみ)
- 1)口に残ったものを取り除く・すすぐ
- 2)皮膚・目についた場合は流水で洗う
- 3)水や牛乳を飲ませる場合(※ケースが限られます)
- ③ 絶対にやってはいけないNG行動
- ❌ 1)吐かせる(催吐)
- ❌ 2)指でかき出す
- ❌ 3)勝手に何か飲ませて薄めようとする
- ④ 受診が必要になったときに持っていくもの
- 1)中毒の原因がわかるもの
- 2)子どもの医療情報
- 3)緊急連絡先
- ⑤ 中毒110番は“親の相棒”
- おわりに ― 慌てず、正しい行動が子どもを守る
はじめに ― 子どもは「探索の天才」。
子どもは、成長のなかで「触ってみたい」「味わってみたい」という強い好奇心をもっています。
薬、洗剤、乾燥剤、観葉植物など――大人にとっては“危険とは思わないもの”でも、子どもには魅力的なおもちゃに見えてしまいます。
こうした誤飲は、単なる「不注意」ではなく、
探索的摂取(exploratory ingestion)
と呼ばれる行動の一つです。
だからこそ大切なのは、
もし起きてしまったときに、大人が落ち着いて“正しい行動”を選べるかどうか。
この記事では、緊急時の応急処置から、絶対にやってはいけないNG行動まで、親御さんがすぐ動ける形でまとめました。
①「誤飲したかも!」と思った瞬間にやるべきこと
ステップ0:まずは安全確保
- ガス、一酸化炭素、化学物質の飛散など、周囲に危険がないかを確認
- 子どもと大人自身を、安全な場所へ移動させる
👉 まずは“現場の危険を取り除く”こと。
ステップ1:子どもの状態を落ち着いて確認
次の順でチェックします。
- 呼びかけに反応するか
- 意識ははっきりしているか
- 呼吸が苦しそうでないか
- けいれんがないか
呼吸が浅い、肩や胸が大きく上下して息が苦しそう、反応が弱いなどは危険サインです。
👉 ひとつでも「いつもと違う」と感じたら救急車(119)へ。
ステップ2:専門機関へすぐ相談する
📞 中毒110番(日本中毒情報センター)
- 大阪:072-727-2499
- つくば:029-852-9999
24時間対応で、
「今すぐ受診が必要か」「家庭で何をすべきか」を教えてくれる頼れる窓口です。
👉 自己判断より“相談が先”、これは鉄則。
② 家庭でできる応急処置(意識がはっきりしている場合のみ)
1)口に残ったものを取り除く・すすぐ
- 口の中の“見える範囲のもの”だけ取り除く
- 少量の水で軽く口をすすぐ
⚠️ 指をつっこんでかき出すのは危険です。
2)皮膚・目についた場合は流水で洗う
- 目:15分以上流水でしっかり洗う
- 皮膚:汚れた衣服を脱がせ、流水で洗う
化学物質が付着したまま時間がたつほどダメージが増えるため、早い対応が重要です。
3)水や牛乳を飲ませる場合(※ケースが限られます)
水・牛乳が有効になるのは次のようなケースです:
✔ 強い酸性・アルカリ性の製品
(例:トイレ用洗剤、漂白剤など)
✔ 界面活性剤(洗濯洗剤・台所洗剤)
✔ 石灰乾燥剤
ただし次の場合は 絶対に飲ませてはいけません:
❌ 意識がはっきりしない
❌ 吐き気が強い
❌ 石油製品(灯油・除光液・殺虫剤など)
❌ 防虫剤(ナフタリン・樟脳など)
理由:
- 誤嚥の危険
- 粘膜損傷の悪化
- 脂溶性物質は牛乳で吸収促進される可能性
👉 水・牛乳は“飲ませてもよいときがある”だけで、必ず専門家の指示が必要です。
③ 絶対にやってはいけないNG行動
❌ 1)吐かせる(催吐)
かつては一般的でしたが、現在は推奨されていません。
理由:
- 治療効果が乏しい
- 吐物が気道に入りやすく危険
- 誤嚥性肺炎のリスク
👉 どんな物質であっても、自己判断で吐かせるのはNG。
❌ 2)指でかき出す
指で異物を「かき出そう」とするのは非常に危険です。
- 異物を奥に押し込む
- 気道閉塞の悪化
- 嘔吐・誤嚥の誘発
👉 見える部分だけを取り除く。奥を触らない。
❌ 3)勝手に何か飲ませて薄めようとする
水・牛乳で薄めてよいかどうかは物質により完全に異なります。
誤った対応で、
- 吸収が増える
- 化学反応で刺激が増す
- 誤嚥を誘発する
などの危険があります。
👉 飲ませる判断は必ず専門家と相談してから。
④ 受診が必要になったときに持っていくもの
1)中毒の原因がわかるもの
- 容器・外箱
- 成分表示
- 残量がわかるもの
- 現場の写真
- 植物ならその一部
医療者が「何を・どれくらい」摂取したか判断する命綱です。
2)子どもの医療情報
- 母子手帳
- アレルギー
- 既往歴
- 服用中の薬
- 最近の体調
3)緊急連絡先
自宅以外で事故が起きた場合も想定しておくと安心です。
⑤ 中毒110番は“親の相棒”
中毒に関する相談に24時間対応してくれる、とても重要な窓口です。
- 今すぐ受診が必要か
- どの程度危険があるか
- 家庭でできること
- やってはいけないこと
すべてリアルタイムで教えてくれます。
おわりに ― 慌てず、正しい行動が子どもを守る
中毒事故は、どんな家庭でも起こり得ます。
完璧に防ぐことはできなくても、
落ち着いて“正しい一手”を取れるだけで、重症化を大きく防ぐことができます。
- 吐かせない
- 指を入れない
- むやみに飲ませない
- 専門家に相談する
この4つだけでも覚えておいてください。
👉 少しでも不安を感じたら、迷わず相談して大丈夫。あなたの冷静な行動が、子どもの命と安全を確実に守ります。

