子どもの花粉症は治せる時代!― 話題の「舌下免疫療法」を小児科専門医が解説

子どもの花粉症は治せる時代!― 話題の「舌下免疫療法」を小児科専門医が解説

はじめに

春になると

  • くしゃみが止まらない
  • 鼻水がずっと出ている
  • 目をかゆがってこする

そんなお子さんを見て

「毎年花粉症でつらそう…」
「この子は一生花粉症なのかな?」

と心配になる親御さんも多いと思います。

花粉症は子どもでも珍しくない病気で、
症状が強いと

  • 睡眠の質の低下
  • 集中力の低下
  • 学習への影響

など生活の質(QOL)にも影響します。

多くの場合

  • 抗アレルギー薬
  • 点鼻薬
  • 点眼薬

などで症状を抑えながら過ごします。

しかしこれらの治療は
症状を抑える対症療法です。

一方で近年注目されているのが

花粉症の体質そのものを改善する可能性のある治療

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)

です。

今回は、子どもの花粉症治療の新しい選択肢である
舌下免疫療法について、小児科医の視点でわかりやすく解説します。


舌下免疫療法とは?

舌下免疫療法とは、

アレルギーの原因となる物質を少しずつ体に慣らしていく治療

です。

花粉症は

花粉に対して免疫が過剰反応することで

  • くしゃみ
  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 目のかゆみ

などが起こります。

舌下免疫療法では

花粉のエキスを毎日少量ずつ体に取り入れる

ことで、

体を少しずつ慣らし
アレルギー反応を起こしにくい体質へ近づけることを目指します。

つまり

👉 花粉症の根本治療を目指す治療法です。


何歳からできる?

日本では現在、

  • スギ花粉
  • ダニ

の2種類のアレルギーに対してのみ舌下免疫療法が行われています。

一般的には5歳以上から治療が可能です。

ただし、実際には

  • 毎日きちんと服薬できるか
  • 舌の下に薬を保持できるか

なども重要なため、
小学校低学年以降で始めることが多いです。

また、

  • スギやダニのアレルギーが検査で確認されている
  • 症状がはっきりある

ことが治療の前提になります。

👉 アレルギー検査で原因を確認することが重要です。


舌下免疫療法のやり方

治療方法はとてもシンプルです。

① 舌の下に薬を置く
② 約1分そのまま保持する
③ その後飲み込む

これを1日1回、毎日続けます。

入院などは必要なく、治療は自宅で行うことができます。


治療期間はどれくらい?

舌下免疫療法は長期間の治療が必要です

一般的には3〜5年間継続します。

研究では

  • 3年間治療 → 約7年効果持続
  • 4〜5年間治療 → 約8年持続

という報告もあります。

👉 長く続けるほど効果が安定します。


舌下免疫療法のメリット

①体質改善が期待できる

通常の薬は症状を抑えるだけですが、

舌下免疫療法はアレルギー体質の改善を目指す治療です。


②薬の量が減る可能性

治療がうまくいくと

  • 抗アレルギー薬
  • 点鼻薬
  • 点眼薬

の使用量が減ることがあります。


③将来のアレルギーへの影響

舌下免疫療法は

  • 喘息の発症予防
  • アレルギー疾患の進行抑制

などにも影響する可能性が報告されています。


治療の注意点

①毎日続ける必要がある

舌下免疫療法は継続がとても重要です。

途中でやめると
十分な効果が得られません。


②軽い副作用が出ることがある

よくある副作用は

  • 口のかゆみ
  • のどの違和感
  • 耳のかゆみ

などです。

多くは数週間〜数か月で軽くなることが多いです。


③体調不良時は休薬

発熱・下痢・抜歯など、体調が悪い場合は数日休薬することがあります

必ず主治医の指示に従いましょう。


こんなお子さんにおすすめ

舌下免疫療法は

  • 毎年花粉症がつらい
  • 薬を飲んでも症状が強い
  • 花粉症で生活に支障が出ている

お子さんに向いている治療です。


まとめ

舌下免疫療法は花粉症の体質改善を目指す治療です。

  • 花粉に体を慣らす治療
  • 5歳頃から可能
  • 自宅で1日1回服用
  • 治療期間は3〜5年
  • 症状改善や薬の減量が期待できる

👉 花粉症でつらそうなお子さんがいる場合、一度医師に相談してみてもよい治療です。