子どもに最適な花粉症の薬を教えます!― 子どもに使う抗ヒスタミン薬の種類と注意点を小児科専門医が解説

子どもに最適な花粉症の薬を教えます!― 子どもに使う抗ヒスタミン薬の種類と注意点を小児科専門医が解説

はじめに

子どもの花粉症でよく使われる飲み薬が
抗ヒスタミン薬です。

鼻水・くしゃみ・目のかゆみなどを抑える、とても大切な薬ですが、
実はこの抗ヒスタミン薬には多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

特に小児では、

・眠くなりやすい薬
・脳に影響しやすい薬
・安全性の高い薬

などの違いがあり、
薬の選び方がとても重要になります。

今回は、

✔抗ヒスタミン薬のしくみ
✔第一世代と第二世代の違い
✔子どもに使うときの注意点
✔第二世代抗ヒスタミン薬の選び方

について、小児科専門医の立場から解説します。


■抗ヒスタミン薬とは?花粉症の症状を抑えるしくみ

花粉症では、体の中で
ヒスタミンという物質が放出されることで、

・鼻水
・くしゃみ
・鼻づまり
・目のかゆみ

などの症状が起こります。

抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きをブロックすることで
症状を抑える薬です。

現在、花粉症の飲み薬として最も多く使われているのが
この抗ヒスタミン薬です。

👉花粉症の飲み薬の多くは抗ヒスタミン薬です


■抗ヒスタミン薬には第一世代と第二世代があります

抗ヒスタミン薬には

  • 第一世代抗ヒスタミン薬
  • 第二世代抗ヒスタミン薬

の2種類があります。

第一世代は昔からある薬で、

  • 脳に入りやすい
  • 眠気が強い

という特徴があります。

第二世代は新しい薬で、

  • 眠気が少ない
  • 安全性が高い
  • 長期使用しやすい

という特徴があり、現在はこちらが主流です。

👉現在、小児の花粉症では第二世代が基本です


■小児で第一世代抗ヒスタミン薬が危険と言われる理由

第一世代抗ヒスタミン薬
(ポララミン、ペリアクチン、タベジールなど)は
脳に入りやすい性質があります。

大人では眠気程度で済むことが多いですが、
小児では影響が強く出ることがあります。

それには

  • 血液脳関門が未成熟
  • 脳が発達途中
  • 神経系が不安定

といった理由があります。

第一世代抗ヒスタミン薬は
脳で働くヒスタミンも強く抑えてしまうため

  • 強い眠気
  • 集中力低下
  • 学習能力低下
  • けいれん誘発
  • 急性脳症との関連

が問題になります。

小児科専門医であれば現在第一世代を処方することはほとんどありませんが、
小児を専門としていないクリニックなどでは、今でも処方されることがあります。

そのため

「昔からある薬だから安全」
「眠くなる薬の方が効く」

と思い込まず、
家族側も薬の種類に注意することが大切です。

👉小児では第一世代抗ヒスタミン薬は基本的に避けるのが現在の考え方です


■第二世代抗ヒスタミン薬の種類

現在小児で使用されている第二世代抗ヒスタミン薬の違いについてまとめます。

一般名製品名剤形年齢回数特徴
フェキソフェナジンアレグラ錠・DS6か月〜1日2回眠気が非常に少ない・安全性高い
レボセチリジンザイザル錠・シロップ・DS6か月〜1日2回効果強い・やや眠気
セチリジンジルテック錠・DS2歳〜1日1回効果強い・眠気あり
オロパタジンアレロック錠・顆粒2歳〜1日2回効果強い・眠気出ることあり
ロラタジンクラリチン錠・DS3歳〜1日1回眠気少ない・安全性高い
エピナスチンアレジオン錠・DS3歳〜1日1回効果と眠気のバランス良い
ベポタスチンタリオン7歳〜1日2回効果と眠気のバランス良い
デスロラタジンデザレックス12歳〜1日1回非常に眠気少ない
ビラスチンビラノア7歳〜1日1回非鎮静・眠気ほぼなし

※DS:ドライシロップ(甘めの粉薬)


■こんな子にはこの薬がおすすめ

■薬が苦手・回数を減らしたい

1日1回で飲める薬を選ぶと、飲み忘れが減り治療を続けやすくなります。
花粉症は長期間続くことが多いため、回数が多い薬だと途中で飲めなくなることがあります。

おすすめ
ビラノア / デザレックス / クラリチン / ジルテック

👉これらは1日1回で済むため、小さい子や薬が苦手な子でも続けやすい薬です。


■眠くなるのがイヤ

抗ヒスタミン薬で最も多い副作用が眠気です。
学校生活では眠気が出ると

  • 授業に集中できない
  • テストに影響する
  • スポーツに影響する

などの問題が起こります。

おすすめ
アレグラ / ビラノア / デザレックス / クラリチン

👉受験生や学童ではこのタイプを選ぶことが多いです。


■症状が強い

症状が強い場合は、効果の強い抗ヒスタミン薬を選びます。

おすすめ
アレロック / ザイザル / ジルテック

これらは効果が強い反面、眠気が出ることがあります。

👉症状の強さと副作用のバランスを見て選びます。


■バランス重視

効果もしっかり欲しいけど、眠気は少なめが良い場合は
効果と眠気のバランスが良い薬を選びます。

おすすめ
アレジオン / タリオン / クラリチン

👉これらは一年中鼻炎の症状がある子などで長期使用しやすい薬です。


■まとめ

・花粉症の飲み薬の多くは抗ヒスタミン薬
・第一世代は小児では注意が必要
・現在は第二世代が主流
・第二世代でも特徴が違う
・生活に合わせて薬を選ぶことが大切

👉子どもの花粉症の薬は「効き目だけでなく安全性で選ぶ」ことが重要です