シーフードで起こるアレルギーとは?― エビ・カニ・貝等で起こる反応を小児科専門医が解説

シーフードで起こるアレルギーとは?― エビ・カニ・貝等で起こる反応を小児科専門医が解説

はじめに

エビやカニ、貝類は、
家庭の食卓や外食でもよく登場する身近な食材です。

だからこそ、
「もしアレルギーだったらどうしよう」
と不安になるのは自然なことです。

この記事では、シーフードで起こるアレルギーについて、
親御さんが知っておきたい基本と考え方を、わかりやすく整理します。

👉 正しく知ることで、過度な不安は減らせます。


そもそも「シーフード」とは何を指すの?

「シーフード」と聞くと、
魚も含まれるイメージを持つ方も多いかもしれません。

このブログでは、
魚・魚卵とは分けて、次の食材を「シーフード」として扱います。

  • 甲殻類:エビ、カニ
  • 軟体動物:イカ、タコ
  • 貝類:アサリ、ハマグリ、ホタテ、カキ など

※魚・魚卵については、別記事で詳しく解説しています。

👉 シーフードアレルギー=魚アレルギーではありません。


シーフードアレルギーは成人発症が多い

シーフードアレルギーの大きな特徴は、
大人になってから新しく発症することが多い点です。

成人で新規に発症する食物アレルギーの中で、
エビ・カニなどの甲殻類は非常に頻度が高いことが知られています。

また、
食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因としても、
甲殻類(特にエビ)は上位に挙げられます。

👉 子どもだけの病気ではない点が重要です。


自然に治りにくいと言われる理由

牛乳や卵などの小児期アレルギーと比べ、
シーフードアレルギーは
耐性を獲得しにくいと考えられています。

ただし、

  • 小児期から少量ずつ評価する
  • 医療管理下で段階的に確認する

といった取り組みが十分行われてこなかったため、
本当の自然経過はまだはっきりしていません

👉 「一生治らない」と決めつける必要はありません。


原因となるのは「トロポミオシン」

シーフードアレルギーの主な原因物質は、
トロポミオシンという筋肉のたんぱく質です。

トロポミオシンの特徴

  • エビとカニで構造が非常によく似ている
  • 熱に強く、加熱しても壊れにくい
  • 消化酵素にも耐性がある

このため、

  • エビで症状が出る人はカニでも出やすい
  • 加熱調理しても安全とは限らない

といった特徴があります。

👉 「火を通したから安心」とは言えません。


ダニ・アニサキスとの意外な関係

トロポミオシンは、

  • ヒョウヒダニ
  • ゴキブリ
  • アニサキス

などにも含まれていることがわかっています。

そのため、

  • ダニアレルギーが強い方
  • アニサキスで症状が出たことがある方

で、シーフード摂取時に症状が出るケースもあります。

👉 アレルギーは「食材単独」で考えない視点も大切です。


診断で大切なのは「食べたときの症状」

血液検査は参考にならないことも

シーフードアレルギーでは、
血液検査(特異的IgE)の数値が症状と一致しないことが少なくありません。

  • 数値が高くても症状が出ない
  • 数値が低くても強い症状が出る

ということも珍しくありません。

診断の中心は病歴

最も重要なのは、

  • 何を食べたか
  • 食後どんな症状が出たか

という**実際の経過(病歴)**です。

👉 検査結果だけで自己判断しないでください。


「全部除去」しなくても大丈夫?

エビで症状が出た場合でも、
イカ・タコ・貝類まで
すべて一律に除去する必要はありません

どのシーフードで症状が出るかは個人差が大きく、
一つずつ確認することが基本です。

また、シーフードは除去しても
栄養面で大きな問題になることはほとんどありません

👉 無理に食べさせる必要はありません。


親御さんへ伝えたいまとめ

  • シーフードアレルギーは魚アレルギーとは別
  • エビ・カニが中心で、成人発症が多い
  • 原因はトロポミオシンという熱に強いたんぱく質
  • 血液検査だけでは判断できない
  • 一律除去ではなく個別評価が大切

👉 正しい知識が、子どもと家族を守ります。