インフルエンザの出席停止期間と自宅での過ごし方― 小児科専門医がわかりやすく解説

インフルエンザの出席停止期間と自宅での過ごし方― 小児科専門医がわかりやすく解説


🧸 はじめに

インフルエンザが流行する季節になると、
「いつから登園(登校)できますか?」
「解熱して元気そうなのに、まだダメ?」

…といった質問を耳にします。

出席停止期間は “発症日が0日目” というルールで数えるため、
直感とズレやすく、迷う親御さんが多いのも当然です。
今回は、保育園児(乳幼児)小中学生 の2パターンに分けて、
小児科専門医の視点でわかりやすく説明します。

👉 「発症日=0日目」ここがズレやすいポイントです!


🍼 乳幼児(保育園児)の出席停止期間

(発症後5日以上かつ、解熱後2日以上が基本)

保育園は、学校よりも感染対策が厳しめです。
厚労省基準では「解熱後2日以上」ですが、
乳幼児の場合は“解熱後3日”を求めるところがあります。


📘 乳幼児:出席停止早わかり表

① 発症2日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症(発熱)
1日目発熱
2日目解熱
3日目解熱後1日目
4日目解熱後2日目
5日目まだ登園不可(発症後5日以内)
6日目登園OK(園により解熱後3日必要)

② 発症3日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症
1日目発熱
2日目発熱
3日目解熱
4日目解熱後1日目
5日目解熱後2日目
6日目登園OK(園判断で+1日あることも)

③ 発症4日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症
1日目発熱
2日目発熱
3日目発熱
4日目解熱
5日目解熱後1日目
6日目解熱後2日目
7日目登園OK

👉 乳幼児は“解熱後3日”を求める園が多いので、園の基準の確認を!


🧑‍🏫 小中学生の出席停止期間

(学校保健安全法:発症後5日&解熱後2日)

学校の場合は法律で決まっているため、
全国でほぼ同じ基準です。


📗 小中学生:出席停止早わかり表

① 発症2日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症
1日目発熱
2日目解熱
3日目解熱後1日目
4日目解熱後2日目
5日目発症後5日以内(不可)
6日目登校OK

② 発症3日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症
1日目発熱
2日目発熱
3日目解熱
4日目解熱後1日目
5日目解熱後2日目
6日目登校OK

③ 発症4日目に解熱した場合

日数内容
0日目発症
1日目発熱
2日目発熱
3日目発熱
4日目解熱
5日目解熱後1日目
6日目解熱後2日目
7日目登校OK

👉 タミフル等で早く治っても、出席停止期間は短縮できません


🏠 自宅療養中の注意点

✓ 水分をこまめに

お茶・イオン飲料・経口補水液など。食べられなくてもOK。

✓ 食事は無理に食べさせなくて良い

食べられるならおにぎり・パン・ゼリーでも十分。

✓ 入浴は熱が下がって元気なら問題なし

✓ 咳・鼻水のピークは熱が下がってから来る

夜間の咳込みが増えることもあります。

👉 解熱=完治ではないため、無理はさせないで!


⚠️ すぐに受診すべき危険サイン

  • 呼吸が苦しそう
  • ぐったりして反応が悪い
  • 嘔吐が続く
  • ひきつけ(痙攣)が5分以上
  • 意識がぼんやりしている
  • 水分が全く取れない

✏️ まとめ

  • 発症日=0日目 で数えるのが基本
  • 乳幼児は“解熱後3日必要な園”が多い
  • 小中学生は解熱後2日+発症後5日
  • インフル薬を飲んでも 出席停止期間は短縮不可
  • 症状が軽くても 登園・登校は必ず日数で判断
  • 判断に迷うときは園・学校のルール+医師の指示で