アレルギーの食品表示を正しく知ろう― 親が知っておきたい表示ルールの基本を小児科専門医が解説

アレルギーの食品表示を正しく知ろう― 親が知っておきたい表示ルールの基本を小児科専門医が解説

はじめに

スーパーで食品を手に取ったとき、
原材料表示を何度も読み返してしまう——
食物アレルギーのあるお子さんを育てていると、そんな場面は日常的です。

「この表示、食べていいの?」
「書いてないけど、本当に大丈夫?」

実は、日本のアレルギーの食品表示には明確なルールがあります。
そのルールを正しく知ることで、
誤食を防ぎながら、必要以上に食事を制限しない選択ができるようになります。

👉 食品表示は、親を悩ませるものではなく“助けるための情報”です。


食物アレルギーと食品表示法

食物アレルギーによる誤食事故を防ぐため、
日本では2002年からアレルギー物質の表示が義務化されました。

その後、2015年に食品表示法が施行され、
食品衛生法・JAS法・健康増進法に分かれていた表示ルールが一本化されています。

この変更により、

  • 表示が統一され
  • アレルギーのある人にとって
    より分かりやすい制度になりました。

👉 表示の目的は「管理を楽にすること」ではなく「命を守ること」です。


表示が「義務」になっている食品(特定原材料)

重いアレルギー症状を起こしやすい食品は、
必ず表示することが法律で義務づけられています。

表示義務のある7品目

  • 小麦
  • えび
  • かに
  • そば
  • 落花生(ピーナッツ)

これらは、
ごく微量でも含まれていれば表示対象になります。

👉 この7品目は「書いてあったら避ける」大切なサインです。


表示が「推奨」されている食品もある

義務ではありませんが、
アレルギーの原因になりやすい食品として
表示が推奨されているものもあります。

例:

  • アーモンド、くるみ、カシューナッツ
  • 大豆
  • ごま
  • さけ、さば
  • りんご、バナナ、もも
  • ゼラチン など

お子さんの原因食品が含まれる場合は、
義務表示でなくても注意が必要です。

👉 「義務かどうか」と「我が子に必要か」は別で考えましょう。


食品表示法で変わった3つの重要ポイント

①「特定加工食品」が廃止された

以前は、
マヨネーズ=卵、ヨーグルト=乳、パン=小麦
と想像できる食品は、表示が省略されていました。

現在は、すべて明確な表示が必要です。

👉 「書いていない=入っていない」と判断しやすくなりました。


② 一括表示から「個別表示」へ

以前は、
「どの原材料にアレルゲンが含まれているか」が分かりにくい表示でした。

今は、
どの材料に含まれているかが明確に書かれています。

👉 食べられる部分まで一緒に避けなくてよくなりました。


③ 小さな包装でも表示省略は不可

以前は、
小さい容器や包装では表示省略が認められていました。

現在は、
包装の大きさに関係なく表示が必要です。

👉 個包装・小袋でも必ず表示を確認しましょう。


見落としやすい「代替表記」と「拡大表記」

食品表示では、
表現が違っても同じ意味と理解できるものは認められています。

  • 卵:玉子、たまご、エッグ、鶏卵
  • 乳:ミルク、バター、チーズ、アイスクリーム

また、
「プロセスチーズ」など、
**名称の中に含まれている場合(拡大表記)**もあります。

👉 原材料欄は「単語」ではなく「意味」で読みましょう。


「注意喚起表示(コンタミネーション)」の考え方

「本製品の製造ラインでは〇〇を使用した製品も製造しています」

これは、
製造工程で意図せず混入する可能性への注意書きです。

  • 実際に入っているとは限らない
  • 通常は「絶対に避ける」表示ではない

ただし、
ごく微量でも重い症状が出る場合は、
主治医と相談しながら慎重に判断します。

👉 「可能性」と「含有」は違います。


親御さんに伝えたい一番大切なこと

食品表示は、
「念のため全部やめる」ためのものではありません。

  • 正しく知る
  • 正しく恐れる
  • 不要な制限を減らす

これが、
子どもの栄養・成長・食事の楽しさを守ることにつながります。

👉 食品表示を“味方”にすることが大切です。


まとめ

  • アレルギー表示は誤食を防ぐための重要な情報
  • 義務表示と推奨表示を区別する
  • 注意喚起表示は「入っている」とは限らない
  • 過度な除去は必要ない場合も多い

👉 正しい知識が、親と子の安心につながります。